狂気的な犯罪などが起こると、
ニュース報道の後、情報番組等でもずっと取り上げ、
その犯人や被害者の家族構成や性格まで報道されるが、
事件性のない死、
つまり病死や自殺、小さな事故の場合、
ほとんど報道されることがない。

昨日読んだブログから拾った、ある農家の自殺された方のニュースについて
書かせてください。

群馬高崎市で米農家を営んできた農夫が、
今年二人の農家仲間を相次いで失った。

その一人、1月に亡くなった男性は30代で、ある日行方不明になり、
その後遺体となって発見された。

その男性は、民主党政権時の2010年に戸別所得補償制度(現:経営所得安定対策)がどうにゅうされたことを機にサラリーマンを辞め、就農を決意した若き農家だった。
規模拡大による経営効率化を目指し、
主食用のコメを中心に同市で最大28ヘクタールにまで農地を広げた。

しかし、2012年、戸別所得補償制度の廃止を公約に掲げた自民党が政権に返り咲き、状況が一変した。
今年度からは10アールあたり1万5千円あった補助金が半減となり、18年度には廃止される。大幅な収入減が予想された。制度を計算に入れて経営計画を立てていたこの男性は、周囲に先行きの不安を打ち明けていた。

彼は生前、TPPに関する説明会で
「TPPで安いコメが日本に入ってくると、先進的な経営を目指した自分の夢が壊れると訴えていました。補助金の削減や米価の低下は、大規模な農家ほど影響が大きいのです」

つい先日、近くの郵便局に行ったら、
定額貯金を50万円以上やると新米プレゼントというキャンペーンをやっていた。
私も定額貯金に誘われた。
その時、隣にたまたまいらした方が、
米を作っていらっしゃる方で、怒っていた。
「郵便局がこういうことやっちゃ駄目でしょ!」
郵便局の人は、ただ「すみません」と答えた。
私は、その女性に「どうしてダメなんですか?」と質問した。

細かいことは結局よく分からなかったのだが、
米農家と言うのは、以前から国に補助金などで守られている事業だ。
だから当然、統制されているのではないかと思う。
その女性は、「米農家大変なのよ」と付け加えた。

農家の補助など、今現在どのようになっているのか?
あまりにも知識が追い付かず、私には分からないことばかりです。

ただ、ひとつ感じたのは、
農業と言う(漁業、林業、畜産業なども含む)第一次産業をもっと大切にしなければいけないと思うし、第一次産業を大切にしないと、国は亡びると感じます。

そもそも私たちに最も必要なモノを清算して下さっている方々なのです。
私たちが子どもの頃は、
米粒を残すことは絶対に許されませんでしたし、
米一粒に七人の神様。
とか申しました。

山梨に行き、早朝散歩などするとよく農家の人たちとあいさつを交わします。
朝早くから私よりも年配の方々が、当たり前に労働していらっしゃいます。
私には出来ない労働力だと実感します。
働いている。その言葉がぴったりの方々。
自然と共存することで得られる糧なのだけれど、
自然と言う予測できないモノで、収穫が十分に得られないこともよくある、
そんな厳しいお仕事です。
でもなくてはならない仕事だからこそ、国からの補助があってしかるべきなのだと思います。

それなのに、政権が変わったというそれだけのことで、
将来の予定が狂い、仕事を続けられなくなるとか、
国の補助が減ることで農業に従事する方々の生活が立ち行かなくなって、
辞めていくとか、
どう考えても大問題です。

年では、サービス産業に従事する人ばかりになり、
労働をしている人が減りました。
それが当たり前になっていくことは恐ろしいことだと感じます。
人は、長い歴史の中、土を耕して生きてきたのです。

こうしたニュースにならない農林水産業に従事する方々の苦労話は、
多分、私たちの耳に届かないところでたくさん起きているのだと思います。
国が、私たちの思考が、間違った方向へ向いて行かないように願うばかりです。