放送された5話までを見ました。
どの作品も涙なしには見られない。

日本は近年、貧富の差が激しくなった。
そして生まれた時に貧しいと、そこから抜け出せなくなってしまう。
そのことで更に貧富の差が広がっている。

国立の学校だって、お金がないと入れない。
学校に入るまでにお金が掛かっているから
どんなに頭のいい子でも勉強するチャンスがなければ無理だ。

いい学校を出ないと、勝ち組には入れない。
そして貧しいモノは貧しいまま生きていくことになる。

別に貧しい人が、金持ちよりも不幸とは限らない。
その逆は山ほどあるだろう。

しかし、生まれながらにして色々なチャンスを絶たれるのはやはり不公平に感じてしまう。
不公平を資本主義と言ってしまえばそれまでだが…

このドラマに出てくる人たちは、
例えばリストラされて、病気をして仕事を続けられなくなって、と
突然のアンラッキーがきっかけで、普通の人には想像しがたい
貧しさの中から抜け出せない生活をしていたりする。

別にとりたてて怠け者なわけではない。
つまり私たちにもいつ起きてもおかしくないようなコトだ。

そういった人たちを(例えばホームレスの人を)事情を知らずに見ると、
努力をしない人、働けばいいのに、などなどとりあえず感じて、
そして自分とは違う部類の人たちと線引きをしてしまったりしていないだろうか?

役者という職業は、以前は貧しい人たちがやる仕事だった。
そもそも江戸時代?(ごめんなさい、正確ではないです)奴婢よりも下の位だった。
そんな仕事を金持ち、地位のある人、正当な家柄の人たちが目指すわけがなかった。

しかし、時代は変わり、
貧しい人も金持ちもどんな人でも目指すようになり、
今では、はっきり言ってお金のある家に生まれた方が
この仕事でもチャンスが多いようになってしまった。
お金の力で、いい学校を選び、
仕事の合間に必死でバイトをする必要もなく、
あるいは、親のコネや親の権力を利用できてしまう場合さえ」ある。
貧しい境遇の人でも、一獲千金を狙える仕事だったのに、
そのチャンスはかなり狭まった。

それでも医者とか政治家とか法律家とかよりは
家の金力にかかわらず目指すことはできるかもしれない。

このドラマで見たような貧しさにまで落ち込まなければ…?

実は今の日本社会には、こういった貧しさの泥沼から抜け出せない人がたくさんいるのだろうと思う。
その割に、表面化しないのは、表題の通り、「サイレント」彼らの方から言葉を発してこないからだ。
日本人特有かもしれない。
貧しくてお金に困っても助けを求めず、求められず、
餓死してしまう人さえいるのだから。

でもこれは氷山の一角なのだ。
今の社会は、貧しい人、弱い人にきつい社会になっている。
権力のある人、代々の金力を持つ者は、
本人に関係なく上に立つことも可能だが、
生まれた時からそのチャンスを失っている人がたくさんいるとしたら、
これは大きな問題だ。

国は、その国民を守る責任がある。
そして国民ひとりひとりの力は、
人数×1ではなく、何十倍もの力になる。
それなのにそれを生かすことが出来ない社会だ。

戦後の高度経済成長期、そしてバブルがはじけ、
日本はいつの間にか
全国民中流家庭から、大きな貧富の差のある国になっていた。
富は分け合った方がいい。
だって自分の稼いだお金はすべて自分の力だけで得たものではないから。

そんな教育も、されてはいない。

それでも日本は、日本人はまだ捨てたものではない、はず。

人は基本的には誰かのために役に立ててる時は幸せな気分を味わえる。

この貧しく声を上げられない人に目を向けられるようなそんな社会になっていくためにも、
このドラマ、お勧めです。
あと4話あります。
是非、見てください。