主演の満島ひかりさんの取材シーンから入る。
そして、ドラマへ。
最初、ちょっと入りにくかったのは、
多分、赤いワンピースでのレポートカットが、
どうもしっくりこなかったのではないかと思われる。
しかし、ドラマは、見ているうちにすぐに引き込まれた。
太平洋戦争前、
満州に渡った日本人を描いたドラマ。
その後、なんとか帰国し、
現存する方々から
直接経験談を聞いて、ドラマ化したと思われる。
さまざまな情報を、実話を聞くうち、
どれひとつとして捨て去ることが出来ず、
ドラマが満載で、
少々、焦点がぼけてしまっていたが、
そのバランスは悪くなかった。
なんとなく、自分が書いた『ジャングルジム タンク』という
アフガニスタンの戯曲を思い出した。
調べれば調べるほど
削ることが出来なくなる。
事実はそれはそれはすさまじく、
軽く扱えないモノばかり。
捨て去ることが難しい。
執筆も、芝居化も、
すべて捨て去ること、削除法で進めらているのだ(私の考え)
大量の情報や、大量の訴えたいコト
そこから削り去って捨て去って、最後に残ったモノだけがドラマになる。
強行軍で自力で帰国を目指した女子ども老人たち。
その厳しさの中で体の弱い人から亡くなっていく。
誰も、もはや助ける力がない。他の人のことを考えている余裕はない。
子どもの命を守るために子どもを中国の家に置き去りにした人。
自害した者。
大人たちが自害する時に、生き残った子ども。
シベリアに収容された人。
そこで亡くなった人、帰国できた人。
中国に残って働かされていた人。
看護婦として働き続けた人。
兵士になったがために裁判にかけられた人。
帰国後、また開拓者として那須の地を切り開いた人
そうではない人。
そのすべてを網羅していた。
少し盛り込み過ぎて焦点がぼけている。とは、先ほど書いた。
でも、事実を、史実を知らしめるという意味では、
こういった作品があっていいのだと思う。
毎話、その厳しさに涙しながら見たが、
やはり訴えてくるのは、当時の人びとのエネルギーだ。
日本人はどうしてこんなに弱くなってしまったのかと改めて感じる。
昔の日本人は強かった。たくましかった。
主題歌は、竹内まりあさんの「いのちの歌」
大切なモノは目の見えないところにある
という歌詞を毎回聞きながら、
またまた自分が書いた『とうもろこし』という戯曲を思い出す。
本当に大切なモノは目に見えない。
私が書いた文章は全然違うんだけど、
でも言いたいことは同じ。
ドラマや映画や舞台は、
その大切なモノを
いろんな形で感じさせてくれる。
直接的に分かりやすく描かなくても、
それを観客のイマジネーションを利用して伝える。
それが芸術の力である。