映画を見始める。

いい感じで映画が始まる。

嫌いじゃない雰囲気。

どのくらい時間が経っただろう?

ある女優が登場する。

なんか見たことがある。

それから先、彼女が登場するたびに

なんか見たことがあると感じる。

もしかしてこの映画一度見ているんじゃないかしら?と

ずっと感じながら見ているが、

通常見た映画は、

どこかの地点ではっきりとクリアに

この映画前に見たじゃん!!と気づくから

それが起こらない限りは見ていないのだろうと

そのまま見続ける。

実際、楽しみながら見られたので見ていたのだが、

1時間45分くらいたった時も、

先ほどよりは少し強い感情で、

もしかしてこの映画一度見ているんじゃないかしら?と感じたが、

ここまで見たんだから最後まで見ようと心に決めてみる。

後で映画の記録をチェックする

2年前に見ていた。

そうだったのか……

それにしては記憶が薄い。

結構好きな雰囲気だったのに。

そりゃあそうだ、2時間の作品をもう一度見られたのだから

でも、それにしては記憶がなさすぎる。

不思議な現象だった。

さて、映画だが、今回は主役の男優と終わり方のみ。

主演の四肢麻痺で尊厳死を希望する主人公を演じている男優は

ハビエル・バルデムという役者

スペイン映画なのでもちろん知らない。

寝たきりで、首から上しか動かせないし、感覚もない。

前半見ているうちに、

この役者はもしかして、本当に体の不自由な人がやっているのではないかと感じる瞬間がある。

しかし、映画の中で彼は空を飛んだりする(彼の夢のイメージシーン)

だから、五体満足の役者である。

スペインでは著名な方なのだろうか?

そうだったら、スペイン人がこの映画を見た時は、

私とは全く違う印象を持ちながら見ることになる。

それがちょっと面白いなと思ってみていた。

終わりかた。

彼は希望の尊厳死を、法律的に認めさせることには失敗したが、

数人の協力を得て、自力で実行する。

彼の死後のシーンはわずか。

すっきりと終わるのである。

どうしても日本映画は終わりが長い。モノが多い。

先日観た素晴らしい映画『悪人』でも終わりが長かった。

終わり近く、柄本明さんが自宅に帰ってくるシーンがある。

そこで一度画面が黒になる。

(ここで終わりか?)と感じた。

もしそうだったら、それは違う印象でちょっとドキッとさせられたが、

それから(私の印象では)長いエンディングが待っていた。

日本人がそういうモノを好きなのだろうか?

優れていない作品では往々にしてそういうことが起こる。

(優れていない作品は感想を残しませんのでここでは例を出せませんが)

それにしても内容も雰囲気も割と好きだったこの作品を

どうしてほとんど覚えていないのだろうか?

そこが一番の問題……かも。