宣伝の文章を読んだ時に、

ひじょうに舞台的な設定、作品で、主演が内野聖陽さん

これは楽しみと見たけれど……

映画はいまひとつだったし、

ホラーのような作りになってしまっていたのが残念。


いいところは、映画の出だし

タイトルから映像に変化する。

プロ野球の2軍の試合が終わった野球場

夕方の野球場の色がとにかく綺麗。


気づけば邦画を見るのは久しぶりだった?

洋画ばかり見ていた私の中に飛び込んできた邦画の美しい色彩は、

その違いからドキッとさせたのだと思う。

その美しさが違うのだ。


そこに内野聖陽さんのナレーションがかぶる。

いい始まり方だ。

とてもホラー映画になるとは思えない。


そしてタイトルが出る。

これがまたいい。

白く飛び出してくるタイトルは『夢のエレベーター』

そこに赤い色のために見えなかったかのように

最初に『夢』という文字が加えられる。

センスがいい。


ところが、映画はつまらなかった。


エレベーターと言う密室の中での人間ドラマは、

舞台人として考えるならば、

ドラマの設定としては非常に面白い。

が、見ていて感じたのは、

この4人でこのエレベーターの中という設定では、

これくらいの時間しか持たないのかっていうこと。


そして、その後、ドラマはエレベーターを出て、

殺人が起こり、ホラー化していく。

もうこうなるとどうでもいい。


最初野球場の観客席に座っていた素敵な内野聖陽さんは、

とてつもなく魅力のない軽い男性に変化してしまっていた。


原作物らしいので、

どこまで映画化することにより変化したのかは分からないが、

アイデア崩れと言う印象はいなめない。