4月21日 田中好子さんが亡くなりました。

まだ55歳でした。


田中好子さんとは、少々縁がありました。

でも、お仕事でご一緒させていただいたのは一度だけ。

彼女がエイズ撲滅の活動をしていた流れもあり、

エイズを広く知ってもらうためのドラマ(あれはどこで流すためのモノだったのだろう?)でした。

とても真面目なしっかりした方という印象です。


あれは、何年前だったのだろうと、

当時の演出家に聞いた所、15年位前?

1992年に乳がんを患ったと書かれていましたので、

当時はすでに闘病後だったのですね。

全く知りませんでした。


女優などという職業をやっていると、

必然的に強くなります。

そうでないと、そんな仕事やっていられないからです。


彼女が、キャンディーズ解散後、一番に女優デビューしました。

当時、私が所属するプロダクションの社長とも親しかったせいで、

少々、彼女のことが話題になりました。


彼女が社長に相談した内容は、

こんなことでした。


アイドル歌手から役者に転身したら、

自分がひとりではなにもできないことに気づいた。

新幹線の切符一枚買えない。


印象的な話だった。

アイドルは、スケジュールが分刻みと言うこともあり、

すべて周りのスタッフが準備してくれて、

朝起こされ、来た車に乗れば、現場に着くみたいな流れに身を任せるしかないところがありますが、

役者は別です。

現着の時は、その場所まで自力で行かなければならない。


キャンディーズ解散時は、そんな女性だった彼女が、

しっかりとした問題意識を持った女優さんに変化するのに、

それほど時間は掛からなかったのだと思います。

その意思の強さが芝居にも現れていました。


そうやって自分の弱さを表に見せないのがプロの女優なのだと思います。

それが出来ないならば、やるべきではないし、

それが出来なくなった時は、引退するときですね。


92年に初期の乳がんを発見し、

再発、手術を繰り返したそうです。

恐ろしい病気です。

それでも19年間、癌に負けずに、仕事もして生き生きと過ごされた姿は美しい。


一度癌を患った方は、いつも再発の恐れを抱えているのだと思いますが、

逆に、

一度、死を目前にしたせいか、

日々の時を無駄にせず、生き生きとされている方が多いです。


一生懸命生きること以外に、

私たち人間に出来ることがあるでしょうか。


ご冥福をお祈りいたします。