ウェブコミュニケーションの歴史 ~企業コミュニティ~
2000年から2003年にかけて勤めていた会社で、多くのナショナル企業のコミュニティの運営を見てきました。
当時、企業がコミュニティを運営するというのは非常に勇気があると言われていました。「東芝事件」のようにユーザサポートが悪くて、ネット上で東芝製品の非買運動が起こったりしていたので、「ネットコミュニティ=炎上して業績悪化」
という発想しかなかった時代です。
それでも、ユーザコミュニケーションをちゃんと認識し、ユーザとの交流から新商品のアイデアをもらったり、ブランディング施策としたり、ユーザサポートという位置づけで運営していた企業がいくつかありました。
そんな中、掲示板時代のコミュニティというのは、企業対ユーザという図式を崩すということはなかったと思います。
ユーザ同士の会話(コミュニケーション)を企業が俯瞰し、時折、コミュニケーションをとるというのが一般的だったのではないでしょうか?
そもそも、俯瞰すること自体ができない企業が多かったんですけどね。よく喩えていたのは、「授業が始まる前、生徒同士で大騒ぎしているんだけど、先生が教室に入ってくるとぴたっと静かになりますよね」なんて喩えてました。だから、ユーザ同士の会話に安易に入らないようにさせてました。
じゃ、企業はユーザコミュニティの中に、どうやって入っていくかというと、正直に自分の素性をさらけ出し、個人として参加していくしかないのです。そして、担当者自身がコミュニティにはまってしまい、コミュニティ依存を起こしてしまうとそのコミュニティは成功しますね。
ただ、やはり企業看板を背負っていると、個人的な質問だけでなく企業に対しての問合せや苦情なども多く届くようになります。そうすると、都度、ユーザサポートや上司に回答内容について確認してレスポンスをしていました。そこには、どうしてもタイムラグが発生してましたが、それでも当時のユーザ満足度は高かったと思います。
コミュニケーションツールが、ブログになりtwitterへと変化してくると段々コミュニケーションスピードが速くなってきて、以前のように上司に確認をして、企業としての返答をするというステップではユーザに満足してもらえなくなってきます。
そこで、徐々に企業内個人という表現の仕方が重要になってきます。
企業で働いている個がユーザとどんどんコミュニケーションをとっていく。そして、何か問題が発生したときでも「○○さんが言うことを信じるよ」「A社は問題だけど、○○さんを信用しているから、がんばって対処してね。」
このような、発言が徐々に産まれてきています。
twitterなんて、TLがどんどん流れていきますからね。そのスピードの中でどのように対応していくのかがポイントになってくるんでしょうね。
次回からは、掲示板時代からブログ時代のウェブコミュニケーションについて思ったことをまとめてみたいと思います。
当時、企業がコミュニティを運営するというのは非常に勇気があると言われていました。「東芝事件」のようにユーザサポートが悪くて、ネット上で東芝製品の非買運動が起こったりしていたので、「ネットコミュニティ=炎上して業績悪化」
という発想しかなかった時代です。
それでも、ユーザコミュニケーションをちゃんと認識し、ユーザとの交流から新商品のアイデアをもらったり、ブランディング施策としたり、ユーザサポートという位置づけで運営していた企業がいくつかありました。
そんな中、掲示板時代のコミュニティというのは、企業対ユーザという図式を崩すということはなかったと思います。
ユーザ同士の会話(コミュニケーション)を企業が俯瞰し、時折、コミュニケーションをとるというのが一般的だったのではないでしょうか?
そもそも、俯瞰すること自体ができない企業が多かったんですけどね。よく喩えていたのは、「授業が始まる前、生徒同士で大騒ぎしているんだけど、先生が教室に入ってくるとぴたっと静かになりますよね」なんて喩えてました。だから、ユーザ同士の会話に安易に入らないようにさせてました。
じゃ、企業はユーザコミュニティの中に、どうやって入っていくかというと、正直に自分の素性をさらけ出し、個人として参加していくしかないのです。そして、担当者自身がコミュニティにはまってしまい、コミュニティ依存を起こしてしまうとそのコミュニティは成功しますね。
ただ、やはり企業看板を背負っていると、個人的な質問だけでなく企業に対しての問合せや苦情なども多く届くようになります。そうすると、都度、ユーザサポートや上司に回答内容について確認してレスポンスをしていました。そこには、どうしてもタイムラグが発生してましたが、それでも当時のユーザ満足度は高かったと思います。
コミュニケーションツールが、ブログになりtwitterへと変化してくると段々コミュニケーションスピードが速くなってきて、以前のように上司に確認をして、企業としての返答をするというステップではユーザに満足してもらえなくなってきます。
そこで、徐々に企業内個人という表現の仕方が重要になってきます。
企業で働いている個がユーザとどんどんコミュニケーションをとっていく。そして、何か問題が発生したときでも「○○さんが言うことを信じるよ」「A社は問題だけど、○○さんを信用しているから、がんばって対処してね。」
このような、発言が徐々に産まれてきています。
twitterなんて、TLがどんどん流れていきますからね。そのスピードの中でどのように対応していくのかがポイントになってくるんでしょうね。
次回からは、掲示板時代からブログ時代のウェブコミュニケーションについて思ったことをまとめてみたいと思います。
リアルタイムウェブ時代の企業ブランディング
「リアルタイムウェブ時代の企業ブランディング」というセミナーに出席してきた。
そもそも、出席しようと思ったのは、twitterでずっとフォローしている才式さん(@saisiki)が第二部のパネラーとして参加すると才式さんのツィートで知ったから。
才式さんとは、10年ほど前に知り合い、その後も年に1回くらい、偶然会うようなことが何度かありましたが、本当にパワーがあり明るくて会っていて非常に楽しい方です。
自分もtwitterの勉強会を開催する上で、見識のある方々のディスカッションを聞いてみたいというのと、才式さんにお会いするのを楽しみに行ってきました。
セミナー会場は、内田洋行さんのセミナールームでしたが、この場所がとてもお洒落で、スクリーンも会場をとりまくように9面もありました。これは、使い方によってはすごいことができそうです。
今回のセミナーは、ustreamでも配信をしていたので、スクリーンには資料とustreamでの映像とセミナー用のハッシュタグをフォローするような使い方をしてました。
さて、肝心のセミナーの中身ですが、面白い話がいくつか聞けましたので、メモります
※全般的にテーマから離れて話すことが多かったので、各テーマは省略!
第一部 神田敏晶さん
・wikipediaがこれから来るのではないか
→これは、納得。自分もコンサルするサービスをwikipediaに登録してますよ。
・情報革命時代では、ソーシャルフィルタリングが重要
→これは、もう3,4年前から言われていることであはあるが、まだ一般に定着していない感じがする。でも、これは間違いなし!
※ これからのウェブビジネスを考えていく上で、一番のポイントです! ※
第一部 パネルディスカッション
・信頼関係を顧客とどう築くかが大事
→最初に「売る」という行為を促すのではなく、まずは信頼してもらう
・企業の個人化
→企業内個人の重要性は、ブログが出てきたころから言われてきたこと。twitterの登場で、レスのスピードを求められ、それにより発信者の個人のジャッジによるレススピードが重要になってきた。それで自動的に企業の中の個が重要になると気付いたという感じでしょう。まぁ、これも5年くらい前から言われ続けていることですね。
・マイクロビジネス
→ここは、個人的もすごく興味関心の強い分野です。韓国では、かなり進んでいるようなので研究してみましょう。
・twitterによる炎上
→UCC・アメリカトヨタさんの事例を出して解説。炎上してしまっても、根気強く対応することが大事。そこで逃げて閉鎖しても、他で炎上するのは決まっているので、自らのアカウント内で炎上管理することがポイントですね。
・信頼の貨幣化(ウッフィー)
→誰からに何かをgiveするとウッフィーは上がり、ウソをつくとウッフィーは下がる。これも重要。
・フォロワー数を指標とする
→attensionとconversionの中間指標にする。いわゆる見込み客の指標化ですね。メルマガ購読者数と近い考え方ですね。
第二部パネルディスカッション
・企業アカウントを利用する場合にキャラ設定をするかどうか?
→キャラ設定は難しいでしょ。相当のなりきりが必要です。それにtwitter対応が仕事になってしまうと盛り上がるとは思えない。やっぱり、やっている本人が楽しんでないとダメだろうね。
・才式さん「お客さんは、ターゲットではなくてパートナー」
→この発言は、今日イチですね。twitter内でもものすごく評価が高い。さすがだね!
セミナー全体を通じて感じたのは、今までのウェブのユーザコミュニケーションでの企業姿勢で求められていたことと、根本は変わっていないなぁと思った。
それがスピードアップ、そして色んな概念的なことが具現化していきていると感じました。
今回の内容を、自分の勉強会にも活かしていきたいと思います。
そもそも、出席しようと思ったのは、twitterでずっとフォローしている才式さん(@saisiki)が第二部のパネラーとして参加すると才式さんのツィートで知ったから。
才式さんとは、10年ほど前に知り合い、その後も年に1回くらい、偶然会うようなことが何度かありましたが、本当にパワーがあり明るくて会っていて非常に楽しい方です。
自分もtwitterの勉強会を開催する上で、見識のある方々のディスカッションを聞いてみたいというのと、才式さんにお会いするのを楽しみに行ってきました。
セミナー会場は、内田洋行さんのセミナールームでしたが、この場所がとてもお洒落で、スクリーンも会場をとりまくように9面もありました。これは、使い方によってはすごいことができそうです。
今回のセミナーは、ustreamでも配信をしていたので、スクリーンには資料とustreamでの映像とセミナー用のハッシュタグをフォローするような使い方をしてました。
さて、肝心のセミナーの中身ですが、面白い話がいくつか聞けましたので、メモります
※全般的にテーマから離れて話すことが多かったので、各テーマは省略!
第一部 神田敏晶さん
・wikipediaがこれから来るのではないか
→これは、納得。自分もコンサルするサービスをwikipediaに登録してますよ。
・情報革命時代では、ソーシャルフィルタリングが重要
→これは、もう3,4年前から言われていることであはあるが、まだ一般に定着していない感じがする。でも、これは間違いなし!
※ これからのウェブビジネスを考えていく上で、一番のポイントです! ※
第一部 パネルディスカッション
・信頼関係を顧客とどう築くかが大事
→最初に「売る」という行為を促すのではなく、まずは信頼してもらう
・企業の個人化
→企業内個人の重要性は、ブログが出てきたころから言われてきたこと。twitterの登場で、レスのスピードを求められ、それにより発信者の個人のジャッジによるレススピードが重要になってきた。それで自動的に企業の中の個が重要になると気付いたという感じでしょう。まぁ、これも5年くらい前から言われ続けていることですね。
・マイクロビジネス
→ここは、個人的もすごく興味関心の強い分野です。韓国では、かなり進んでいるようなので研究してみましょう。
・twitterによる炎上
→UCC・アメリカトヨタさんの事例を出して解説。炎上してしまっても、根気強く対応することが大事。そこで逃げて閉鎖しても、他で炎上するのは決まっているので、自らのアカウント内で炎上管理することがポイントですね。
・信頼の貨幣化(ウッフィー)
→誰からに何かをgiveするとウッフィーは上がり、ウソをつくとウッフィーは下がる。これも重要。
・フォロワー数を指標とする
→attensionとconversionの中間指標にする。いわゆる見込み客の指標化ですね。メルマガ購読者数と近い考え方ですね。
第二部パネルディスカッション
・企業アカウントを利用する場合にキャラ設定をするかどうか?
→キャラ設定は難しいでしょ。相当のなりきりが必要です。それにtwitter対応が仕事になってしまうと盛り上がるとは思えない。やっぱり、やっている本人が楽しんでないとダメだろうね。
・才式さん「お客さんは、ターゲットではなくてパートナー」
→この発言は、今日イチですね。twitter内でもものすごく評価が高い。さすがだね!
セミナー全体を通じて感じたのは、今までのウェブのユーザコミュニケーションでの企業姿勢で求められていたことと、根本は変わっていないなぁと思った。
それがスピードアップ、そして色んな概念的なことが具現化していきていると感じました。
今回の内容を、自分の勉強会にも活かしていきたいと思います。
ウェブコミュニケーションの歴史~掲示板時代 コミュニティ成立要素~
一昔前の掲示板コミュニティっていうのは、ちょっと参加しづらい
空気って感じませんでしたか?
それは、既に一つのコミュニティが成立していて、そこの参加者
の姿が会話ログでしか判断できないからですよね。
「みんな、盛り上がっているところにはいりにくい~~」
そういう感情を持ちながらも勇気を振り絞って参加してみる。
そうすると、結構、他の参加者も最近入ったばかりの人が多くて、
すぐに楽しめたりしちゃう。そんなもんだと思います。
そして、ほとんどの人が同じように勇気を振り絞って参加している
経験をしているから、新しく参加した人に対して、親切にしてあげ
たくなる。
「そうそう、最初って入りづらいよね~」
これが、10年前くらいの掲示板中心のコミュニティを形でした。
その時期は、ネットコミュニティの成り立ちの要件をリアルな地域
コミュニティを研究している社会学者の学説と結びつけて論じたり
していました。
よく言われていたのが、
「参加意識」・・・我々は、一つの「場」に参加しているんだという意識
「自律意識」・・・集団の中の自分を意識し、常に常識的な行動をと
ろうとする
「役割意識」・・・「場」の中で自分のポジションを理解し、「場」を盛り
上げていこうという人が現れたりします
「依存意識」・・・「場」がなくなってしまうと、そこで作った友達と連絡
がとれないので、ついついログインしてします
このような4つの意識が働くとコミュニティとして成功すると言われていました。
さて、twitterと比較するとどうでしょうか?
「参加意識」・・・以前より強くtwitterに参加しているという意識は強
くなっていますが以前と比較して、「場」の形が変
わってきているので、一概に強いとは言い切れないかな。。。。
「自律意識」・・・匿名性が薄れてきているのもあり、より自律意識は
高まってます
「役割意識」・・・与えられた「場」の中で役割を考えるのではなく、「場」
をどう活用するのかを考えられるようになりました。
「場」自体に対しての役割という感覚はかなり薄れてきています
「依存意識」・・・この意識はtwitterでも強く感じられます。リアルで
連絡ができても手軽で連絡がとれるtwitterの価値
はここにあるのでしょう。
掲示板コミュニティの時代と比較すると形が変わってきてはいますが
いずれの意識も高まっているんでしょうね。
それがtwitterブームのポイントになると思います。
次回は、企業の掲示板コミュニティの活用について思い出しながら、
まとめてみようかと思います。
空気って感じませんでしたか?
それは、既に一つのコミュニティが成立していて、そこの参加者
の姿が会話ログでしか判断できないからですよね。
「みんな、盛り上がっているところにはいりにくい~~」
そういう感情を持ちながらも勇気を振り絞って参加してみる。
そうすると、結構、他の参加者も最近入ったばかりの人が多くて、
すぐに楽しめたりしちゃう。そんなもんだと思います。
そして、ほとんどの人が同じように勇気を振り絞って参加している
経験をしているから、新しく参加した人に対して、親切にしてあげ
たくなる。
「そうそう、最初って入りづらいよね~」
これが、10年前くらいの掲示板中心のコミュニティを形でした。
その時期は、ネットコミュニティの成り立ちの要件をリアルな地域
コミュニティを研究している社会学者の学説と結びつけて論じたり
していました。
よく言われていたのが、
「参加意識」・・・我々は、一つの「場」に参加しているんだという意識
「自律意識」・・・集団の中の自分を意識し、常に常識的な行動をと
ろうとする
「役割意識」・・・「場」の中で自分のポジションを理解し、「場」を盛り
上げていこうという人が現れたりします
「依存意識」・・・「場」がなくなってしまうと、そこで作った友達と連絡
がとれないので、ついついログインしてします
このような4つの意識が働くとコミュニティとして成功すると言われていました。
さて、twitterと比較するとどうでしょうか?
「参加意識」・・・以前より強くtwitterに参加しているという意識は強
くなっていますが以前と比較して、「場」の形が変
わってきているので、一概に強いとは言い切れないかな。。。。
「自律意識」・・・匿名性が薄れてきているのもあり、より自律意識は
高まってます
「役割意識」・・・与えられた「場」の中で役割を考えるのではなく、「場」
をどう活用するのかを考えられるようになりました。
「場」自体に対しての役割という感覚はかなり薄れてきています
「依存意識」・・・この意識はtwitterでも強く感じられます。リアルで
連絡ができても手軽で連絡がとれるtwitterの価値
はここにあるのでしょう。
掲示板コミュニティの時代と比較すると形が変わってきてはいますが
いずれの意識も高まっているんでしょうね。
それがtwitterブームのポイントになると思います。
次回は、企業の掲示板コミュニティの活用について思い出しながら、
まとめてみようかと思います。