※本記事には刺激的な表現が含まれています。
僕は指の力を更に強めた。彼女が情けなく笑い狂う姿に優越感を感じていた。
「もうやめてよ。あ゛はははあははは。待って待って。じぬぅぅぅ。」
「二度と卑怯なことしないって誓うか?いじめとか姑息な真似しないって約束するか?」
「するする。ひゃははははは。もうやだぁぁぁぁぁ。んあはあはははははははは。」
「分かった。じゃあこのくらいで勘弁してやる。次、他人をいじめるようなことがあったら、この程度では済まないから。」
僕は振り返ると、男に向かって言った。
「もう満足したよ。彼女への復讐はこれで終わりだ。ところで、君は誰なんだい?」
「僕かい?僕はいじめ報復屋だよ。現世で悲惨な目に遭って死んでしまった人が恨んでいる人に復讐するのを手伝う仕事だ。いじめだけじゃない。職場でのパワハラやセクハラ、猥褻な行為を行った人など、悪いことをした人間全員に制裁を加える。谷口詩織が本当に約束を守っているか、確認したいかい。」
彼の言葉に僕は黙って頷く。次の日から、モニター越しに彼女の様子を観察する日々が始まった。まず、彼女は登下校する道を変えていた。この前のことが余程トラウマになったのだろう。常に何かに怯えている。
柳沢真紀のグループが朝彼女に出くわした。
浅田凛、牧野まどか、清水美野里、加藤沙織、小西友恵、小林真理、田沢由奈が真紀の後ろに並んでいる。
「今度のターゲットは、相沢和也よ。あの根暗をとことんいじめ抜いて、退学に追い込んでやる。」
「わ、私は、」
「何よ、詩織さん?」
「私は、やっぱりいじめは良くないと思う。真紀たちは遊び感覚でやってるかもしれないけど、人1人死んでるんだよ。山川拓斗君、私昨日あの子の幽霊に復讐されたの。また彼の霊に襲われたくないもの。」
「あらぁ、あんた、このあたしに逆らうっての?山川の霊が何だとか言い出して、気でも狂ったんじゃないの。ブサイクさん。大体山川があたしのせいで自殺したって言うけど、証拠あんの?学校側も単なる自殺って言ってたじゃない。そこまで言うなら物的証拠を挙げてみなさいよ。決めた、今日から、詩織、あんたがあたしらのターゲット。」
真紀はそう言って、引きつれている仲間の方を見た。
「OK。なんだか、私、詩織のこと前から嫌いだったんだよねぇ。臆病でどん臭くて、周りに合わせてばかりでさ。」と凛。
真紀たちが立ち去ると詩織は呆然とその場に立ち尽くしていた。
柳沢真紀に目をつけられたら一巻の終わり。悪質ないじめによって、まともな学校生活は送れなくなる。