「ねぇ、詩織さん、それに由奈さん、お二人に大事なお話があるんだけど。」

 

詩織と由奈の2人は休み時間、柳沢真紀にトイレに呼び出された。

 

「何で、呼び出されたか分かる?」

 

沈黙する2人。

 

「あんたらが、あたしの邪魔をするからだよ!」、真紀が由奈の身体を蹴り倒す。

 

「お前ら、こいつらの身動きを封じろ。」

 

真紀の取り巻きたちが、一斉に2人を押さえつける。

 

必死に抵抗を試みるが、どうすることもできない。

 

真紀が2人に水をかけ始める。

 

「ふふ。こんなところで冷たい水かけられちゃって可哀そうに。お前らに手を貸した黒幕を教えろ。詩織は山川拓斗の幽霊に復讐されたとか何とか言ってたが、あたしの計算じゃ奴はあたしに気づかれずにお前らを襲えるほど賢くねぇ。さあ、早く!」

 

真紀が詩織の顔を踏みつけ、次いで指も踏みつける。かなりの痛みを感じた彼女は、涙目になりながら言った。

 

「パクシア...パクシアっていう名前で高校生くらいかな。筋肉質だった...それ以外はほんとに何も知らないからぁ。もう辞めてよ。」

 

真紀は身動きが取れない詩織を容赦なく蹴飛ばす。

 

次いで、由奈を見下ろしてドスのきいた声で言い放った。

 

「お前は、何か知ってるのか?」

 

懸命に首を横に振る由奈。

 

「使えねぇな。」

 

真紀は、彼女の鳩尾を思いっきりぶん殴った。あまりの痛さに彼女が顔を歪める。

 

「今回はこの辺にしといてやろう。お前らの黒幕と直接対決できる日が待ち遠しいわ。」

 

真紀たちがその場をあとにすると、詩織はそこら中が痛む身体で立ち上がる。

 

「大丈夫、由奈?」

 

倒れている彼女の身体を揺り起こす。

 

彼女が憔悴しきった表情でゆっくりと目を開ける。

 

「詩織、どうして?」

 

「良いから。とりあえず保健室行くよ。」

 

2人は保健室で手当てをして貰ったあと、早退した。

 

帰宅途中に山川拓斗の幽霊、それからパクシアと出くわした。

 

慌てて逃げだそうとする由奈を詩織が抑える。

 

「どうしたのその傷?」と拓斗。

 

「あの、ごめんなさい。」

 

詩織が深々と頭を下げる。

 

「実は、パクシアさんのこと、真紀たちに言っちゃって。」

 

「はぁ、詩織?また僕にお仕置きされたいのかい?」とパクシア。

 

彼女が怯えた表情を見せる。

 

「ちょっ。待っ...」

 

パクシアが彼女の身動きを奪った。再び擽りの刑にかけられた彼女は目に涙を浮かべて息を荒くした。由奈はそれを見ないようにしようとした。

 

「詩織、君は本当に反省が足りないね。」

 

「ごめんなさ~い。もうしないからゆるひて。んふふふふふ。んあははははもうやだぁぁぁ。」