「あれは、まさか、神に選ばれた伝説の存在、ミーティア...」

 

ゴジパ・ボブジが声を荒げる。

 

ミーティアの姿に変身を遂げた奏多はゴジパ・ボブジとエミル・キピータの2体に近づいていく。

 

ゴジパ・ボブジが彼に幻術をかけるが彼は全く動じない。

 

更にエミル・キピータの風の攻撃にも無傷である。

 

「チッ...」ゴジパ・ボブジが舌打ちをし、空中に手をかかげると、時空が歪んで空が割れ、その中から一体の化け物がでてくる。

 

それはまるでドラゴンのような見た目だった。

 

ゴジパ・ボブジはどうやら別の時空から化け物を出現させる力も持っているらしい。

 

「いったん引くぜ、キピータ」、ボブジの掛け声とともに俺たちはフェルド様のもとに移動した。

 

ボブジは時空移動することもできるようだ。

 

俺は活でここまで複数の能力を使えるサーパスに遭遇したことはない。

 

正に、彼の能力は自分にとっては魔法のようなものであった。

 

すぐにフェルド様にミーティアが出現したことをお知らせした。

 

西園寺かずと五十嵐ゆりなが復活したことも知ったフェルド様はさぞお怒りの様子であった。

 

俺たちに八つ当たりをすると、ゴジパ・ボブジに言った。

 

「おぬしに我のパワーを分け与える。何としてでもミーティアを倒し光のデバイスを奪い返すのだ!」

 

そう言って自身の手からサーパスの力をボブジに注入した。

 

「ははぁ。次の機会には必ずやミーティアを倒し光のデバイスを手に入れて見せます。」

 

ボブジは闇のオーラをまとい、更にパワーアップした様子であった。

 

「こりゃ今月の給料は少ないな。」、と俺は思った。

 

サーパスの世界ではフェルド様に指示されたことがどれだけできたかによって、頭の中にナプシーが与えられる。

 

ナプシーとは人間世界で言う貨幣のようなものだ。

 

現代に生きる人間の連中は貨幣がもしデジタル賃金になったらどうなるのだろうと考えている連中も多いだろう。

 

だが、サーパスの世界では頭の中に直接報酬が与えられるのでそれが実現しているに等しいのだ。

 

また、電車に乗る必要がないというのもサーパス社会の良さだ。

 

今の時期に込んでいる場所、それは電車の中である。

 

通勤や通学のためサラリーマンや学生たちで混んでいる電車。俺はそんな場所にはいたくない。

 

そう考えると、サーパスで良かったと思うこともある。そう、サーパスは元々悪の存在ではなかったのだ...

 

それがどうして人間を滅亡させようとする存在になってしまったのか、それは伝説の占い師、ローラの存在が大きい。

 

人間の社会には引き寄せの法則やタロット占いというスピリチュアル的なものが存在すると聞く。

 

だが、それを信じるか信じないかは自由なはずだ。

 

しかし、サーパスの社会では占いやスピリチュアルが絶対的な力を持つという神話がまだ根強いのである...