・ 魔法少女製造計画
そこはとある密室。極めて狭いその空間にまるでカルト集団のような空気が流れていた。ここに集まっているのは、医療薬品などを開発する会社、キラーカンパニーの社員。キラーカンパニーでは社員に過酷な労働をさせており、パワハラ、セクハラも日常茶飯事だった。世間で最近騒がれているいわゆるブラック企業の1つである。経営は大幅な赤字が続き、過労死する者も続出するというウィルスだった。そんなキラーカンパニーが極秘裏に開発していたもの。それが、マジカル細胞である。街で密かに行われていた人体実験。未完成の細胞を投与されたことにより、命を落とした者や精神が狂ってしまった者もあまた存在した。試行錯誤の上、魔法を使える人間が誕生した。それが、魔法少女。実験段階では最初に女性に細胞が投与された。そのため、魔法少女が現れてからも長らく魔法少年は現れなかった。男子用のマジカル細胞の最初の実験台となったのはあの西園寺和樹だった。魔法少年用の細胞はチェックの最終段階を迎えていた。これで問題がなければ、今後多くの魔法少年が誕生することだろう。マジカル細胞を開発し終えたタイミングで現れたのが人を襲う怪物、イーグル。キラーカンパニーは政府と契約を交わした。イーグルに対抗する戦力である魔法少女、魔法少年を製造する代わりに、高額な報酬を要求したのだ。室内には政府の役人の1人である中田誠とキラーカンパニーの平社員、浅川学がいる。
中田が口を開いた。
「ここ最近の魔法少女たちは醜い争いが絶えない。それに、イーグルと戦うのに全く戦力にならない奴らもいる。今回の報酬はきちんと支払うが、今後これが続けば日本政府の未来に関わる。迅速な対応をお願いしたい。」
「はっ。承知しております。既に最悪な事態に備えて、より有能な魔法少女を味方につけていますから。」
そして、声のトーンを変える。
「非常感谢你,林凛香。万一发生什么事情,请以优秀魔法少女的名义,保护这座城市,更确切地说,保护日本。(どうぞよろしく、林凜華さん。もし万が一のことがあった場合は、優秀な魔法少女の名に懸けてこの街を、いや、日本を守ってください。)」
奥から凛とした顔立ちの165cmくらいの少女が現れる。
「是的当然。即使你不说,我也是这么想的。日本女孩有两张脸,我讨厌她们。可悲的是,我觉得我的行为是出于害怕被排除在群体之外。如果有什么事情就交给我吧。(ええ、もちろんよ。言われなくても、そのつもり。日本の女の子は裏表が激しくて嫌いよ。グループの中から疎外されることを恐れて顔色を窺って行動している感じが情けないわ。もし万が一のことがあった時は、私に任せて。)」
そう言ってウィンクをすると自信気に言い放った。
「それと私、日本語話せるわ!」