shizuさんの講演会でゲストスピーチをした
吉川美どりさん(みーちゃん)

過緊張、場面緘黙、社会不安障害・・・
ほんの3ヶ月前も、、
「みんなの前で話すなんて、無理!無理!」
だったのに。。。


スピーチの全文を掲載します。



第1章「根暗時代」

〜場面緘黙の傾向〜



私は、今もそうですが、元々おとなしい子で、いるんだか、いないんだか、わからないような子でした。

気配がないので「あれ?いつの間にいたの?」とか言われたりもしていました。 あまりにもおとなしく、しゃべらないので、小学校の時は、男の子からよく「あ」って言ってみてとか言われていました。

私は素直な子だったので、声が小さいながらも、きちんと「あ」と律儀に返していました。

それでようやく「あ!しゃべった!」みたいに認識されるような子だったんです。

今思えば、場面緘黙の傾向があって、仲の良いお友達とはお話できても 当時は、特に、男の子や、先生などの目上の人を目の前にすると、あんまり話せなかったのを覚えています。

私がすごく覚えているのが、保育園のとき、お友達と話しながら歩いているところに、ふと、担任の先生が通りがかって、その時に先生が 「みーちゃんの声、初めて聞いた!」と驚かれたことがあったんです。

私はその時、自分の普段のしゃべってる声を聞かれたことが、すごく恥ずかしくて、穴があったら入りたい!と思ったことを覚えています。

私は当時、とても甲高い声で、甘えるような幼いしゃべり方をしていたんです。

まだ4歳とか、そのぐらいなので、別におかしいことじゃないんですけど その甘えるような、幼い感じの、普段のしゃべる声とか、しゃべり方とかを聞かれたことが、強烈に恥ずかしかったのを覚えています。

これは、あくまでも、私の感覚なんですけど 場面緘黙の子って、その名の通り、場面場面で、自分の立ち位置とか、キャラをわきまえていて、わきまえているからこそ、その場面によって話せなくなるのかなぁと思いました。


〜まるで死刑囚のようだった作文発表会〜



私が、学生時代、一番辛かったのが、教科書の音読をさせられたり、みんなの前に出て、作文を発表するような時間でした。

その当てられるまでの時間が特に恐怖で、その時間は、これは全く大げさな表現などではなく、死刑囚と同じぐらいの恐怖の時間でした。

むしろ、死んだ方がマシだとさえ思って、今この瞬間こそ、本当に言葉は悪いですけど、地球が滅びればいいのにと本気で思ったぐらいでした。

自分が作文などを発表する番になった時は、手足がガタガタ震えて、声も震えていました。

それで笑われたりしたことは、ありがたい事に無かったんですけど、それでも、笑われるんじゃないだろうかとか、たかだかみんなの前で音読したり、発表するぐらいで、ここまで緊張するなんて、おかしな人だと思われるんじゃないだろうかとか、そのことが、すごく怖かった気がします。

〜本気で自分を変えようと思ったきっかけの言葉〜



19歳ぐらいの時の話なんですが ある日、お友達と一緒に、お友達のバイト先にちょっと顔を出したことがあったんです。

その時は、お友達は普通にバイト先の仲間と立ち話をしていて、私は特に会話には混ざらずに、ただ側で見てただけでした。

後日、そのお友達づてに、そのバイト先の人が、私のことを「暗そうだね」と言ってたことを聞きました。

お友達も、もしかしたら、わざわざ私に伝えなくてもいいことだったのかもしれないですけど、この言葉がすごく転機となったのです。

その「暗そうだね」という言葉を聞いた時に、「え!!」と衝撃を受けて、家に帰ってから、全身うつる鏡の前で、普段の私の立ち姿のままで、自分のことを客観的に見てみたんです。

私はその時にギョッとしました。

そこには、うつむき加減で、本当に暗そうな雰囲気の女の子が佇んでいたからです。

これが普段の自分の姿なのか!!

今まで、こんな姿で人前に立っていたのかと思ったら、急激に恥ずかしくなって、その日を境に、本気で自分を変えようと思いました。

それまでは、お洋服を買うときも、特に鏡にあててもみず、ましてや試着もほとんどせず、なんとなくこんな感じの服が好きだからという理由で、Tシャツとかデニムとか、カジュアルな服を選んで買っていました。

だけど、そもそも、私の雰囲気や骨格的に、あんまりカジュアルな装いが似合わないんです。

だけど、その日を境に、どうやったら自分を明るく見せられるかとか、どうやったら魅力的に見せられるかとかを、きちんと、全身うつる鏡を使って、客観的に自分を見て、自己プロデュースをしていきました。

それで、現在のような、女性的な感じの格好が一番自分を明るく、魅力的に見せられるということに気づいて、そうやって外見がまず変化していきました。

それまでうつむき加減で歩いていたのも直し、姿勢や立ち姿、また、写真に映る時の表情なども気をつけるようになりました。

その甲斐あって、その後、就職した職場や、パート先では、「いつもオシャレだね」とか、「憧れる!」とか、「セレブかと思った!」とか言われるようにまでなりました。

かつて「暗そうだね」と言われていた私も、この頃には、「吉川さんはおとなしいけど、決して暗いわけじゃないよね。」と言われるようになり、ただの根暗人間だったのが、ミステリアスな雰囲気のある女性だと認識されるようになりました。

第2章「試練」につづく








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