第2幕公開!!
イベント 『蛤御門でつかまえて』
―コレクションシート―
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第2幕
アイテム・・・「高達」
おちあった蛤御門の前で、
慶喜さんが上品なあやめ色のちりめんの包みを差し出した。
「ありがとうございます・・・・!翔太くんきっと喜びます」
わたしはぺこり、と頭を下げてそれを受け取る。
「うん。だが○○の故郷は興味深い風習がたくさんあるね。
生まれ日を祝うのも珍しいし、
おれはこの国のものを随分見てきたつもりだけど、
そんな形の木彫りは初めてだ」
「えへへ・・・」
慶喜さんは勘も頭も良いから、
下手に喋るとぼろが出そうな気がして笑って言葉を濁す。
「結城が息災であるように、色も吟味して祈願しながら塗っておいたよ」
「あ、ありがとうございます・・・」
これはガンダムです。
とはいえないまま、申し訳なさに俯いてしまう。
勿論ガンダムに息災を祈ったところでご利益などない。
慶喜さんごめんなさい・・・
わたしは心の中で平謝りをした。
節句が過ぎ梅雨が明け、
いよいよ夏も盛りというこの季節に翔太くんは生まれた。
小さな頃はお誕生会を毎年やっていて、
わたしもお菓子やカードをプレゼントしていたけれど、
いつからかお誕生会はなくなり、わたしたちには距離ができた。
けれど翔太くんと幕末に来てからは、
また昔みたいに一緒に笑えるようになり、
そのことが嬉しかったわたしは
また誕生日をお祝いしてあげたいと考えた。
翔太くんはバスケが大好きだったけれど、
周りの男の子たちと同じようにロボットのおもちゃなんかも持っていて、
雨の日はそのロボットでわたしの人形と遊んでくれた。
そんな事をふと思い出し、
記憶の片隅の、たぶんガンダムだったそれを彫ってみたのだ。
けれど幕末に来ても不器用に変わりはなく、
わたしの木彫りはなんというか、呪詛人形のようになっていた。
「おや、○○。お前は愁う顔も綺麗だけど、笑っているのが一番似合うよ。
困りごとならもっとおれを頼ってよ」
呪詛人形をみつめ情けなく眉を下げていたわたしに、
そう声をかけてくれたのが慶喜さんだった。
慶喜さんは手裏剣を作るとかで、
「木彫りは任せて」とわたしのできそこないガンダムの
細部を手伝ってくれた。
さらに一体何を塗っているのか、
彩色も趣味だからやってあげると申し出てくれて
わたしは彼の厚意に甘えさせてもらった。
そして今日、完成したガンダムを、一緒に渡しに行く事になったのだ。
「ねえ○○、おまえさえよければ、先に結城の所に行かないか?」
慶喜さんはそう言って、わたしの肩をごく自然に抱き寄せて歩きだした。
こそばゆい嬉しさに自分の心臓が騒いでいるのがわかる。
「はい、わたしはいつでも。でも、どうしてですか?」
「せっかくの逢瀬だからね、早くふたりきりになりたいんだ。
今日はおまえがおれから離れ難くなるくらいに、たくさん愛してあげる
―――こうして」
慶喜さんのいい匂いが近づいた刹那、
綺麗な唇がわたしを甘く塞いだ。
そのままよろよろと2~3歩後ずさると
御所の塀に逃げ場を阻まれてしまった。
「ふふ、かわいいね、○○。でもだめ、もっとだよ・・・」
唇を僅かに離し囁くともう一度、
腰に回した手で強く腰を引き寄せ、
わたしの声も待たずにさっきよりもっと深く唇を合わせる。
塀に押し付けられた背中はひんやりするのに、
慶喜さんに触れている部分はどこも熱を籠らせて彼を焦がれる。
もっともっと混じりあったら、
わたしはどうなっちゃうんだろう。
そう思ったら上品な着物からでもわかる慶喜さんの身体に指まで震えた。
そして永い口付けから開放されたころにはもう、息をするのもやっとだった。
「・・・ねえ、そんなふうにずっとおれに溺れていて、○○。
どこにいてもおれだけを見ていて」
鼻先どうしをくっつけて慶喜さんが囁いた。
「・・・はい・・・」
たぶん熱い頬を感じながら頷くと、
慶喜さんはため息でわたしの肩におでこをのせた。
「・・・本当はさ、みっともなく妬いてるんだ。
ずっとこんなに想われて、
おまえとの思い出まであってさ、結城はいいなって。
おれは余裕なんてないよ。
おまえのことで余裕など感じたことがない。
らしくないし、格好悪いのも承知で、それでもおまえに惚れてる」
横顔の、琥珀みたいに綺麗な流し目とぶつかって、
いとしい気持ちに胸をつぶされそうになる。
「わたしは慶喜さんしか見えてませんから。
これからの思い出を分け合って一緒に生きて生きたい人も慶喜さんだけです」
「・・・信じていいかい?」
「はい、信じてください」
揺るぎなくみつめたまま頷くと、
「嬉しいよ。では遅くならないうちに結城のところへ行かなくちゃだな。
その後はおまえをたくさん可愛がってあげるから、覚悟しておいて」
と言う上機嫌な慶喜さんに手を取られ、
わたしたちは翔太くんと龍馬さんの逗留先へ急いだ。
龍馬さんはちょうど出かけていて、
部屋には翔太くんひとりだった。
「翔太くんそろそろ誕生日だったな、って思ってこれ」
「え・・・○○、ありがとう!って、おれすっかり忘れてたよ」
翔太くんは驚きのあと、とても嬉しそうに受け取ってくれた。
「硬いね?なんだろ?開けていいか?」
「どうぞ。・・・わたし不器用だから、気に入ってもらえるか心配なんだけど」
翔太くんは包みを開くと、無言のままガンダムをみつめた。
「どうかな・・・?翔太くんガンダム持ってたでしょ?懐かしいなと思―」
「なに、これ」
照れくささだけで紡がれるわたしの言葉をさえぎり、
翔太くんは聞いたことのない低い声を発した。
「え」
「○○、これGガンダムだろ?なんで黄色いの?」
「ああ、それはおれが君の息災をきg」
「踏み台の人は黙っててください」
わたしをフォローしようとした慶喜さんを、翔太くんはバッサリ斬り捨てる。
一応大人だし、総選挙1位だから笑っていたけれど、
慶喜さんはちょっぴり涙目だった。
「ご、ごめんね翔太くん!うまくできな――」
「は?」
「これ、中国四川省成都市温江区にある
中国国家4A級旅遊景区の遊園地、国色天郷楽園に登場した、
高さ15メートルの金色のロボットじゃないか!
あまりにガンダムに酷似しているから抗議を申し入れたら
遊園地側は『ガンダムの真似ではない、
自分たちでデザインを考えた』なんて言い訳したあれだろ?
おまえ俺がGガンダムファンだってしっててやったのか?
はーんギャグか、ギャグのつもりなのか?だがしかし!!
これはちょっと笑えないぞ○○。何故ならこの遊園地のしたことは
全世界のガンダムファンに対する冒涜に他ならn」
かつて見たことのないテンションの翔太くんが
まだ収まらない怒りを吐き出している。
大やけどってこういう時に使うの?
隣で同様に立ち尽くす慶喜さんがわたしの袖を引いた。
「結城が話している言葉は、エゲレスかどこかの言葉かい?」
「いえ、俄然日本語です。」
「そう・・・。蛤御門はね、天明の大火で御所が炎上して、
滅多に開かないあの門がこのときだけは開いたんだ。
それが蛤みたいだったから、蛤御門って名がついたんだが」
「翔太くん、蛤御門みたいですね・・・」
「うん、全開だよね」
それを現代ではパンドラの箱っていうんですよ。
そう言いかけてやめた。
そんな事よりも一刻も早くこの事態を龍馬さんになすりつけて帰りたいと、
わたしたちは目の前の蛤御門大炎上をみつめていた。
『蛤御門でつかまえて』
一橋 慶喜編 終了
(変態文、乙女画:いなにわ)
※このイベントをもちまして、
今回の『ジャパネスク白目を守る会』の変態企画を終了とし、
そっと蛤を閉じさせていただきます。
引き続き、推しメンとの逢瀬を お楽しみください。
甲冑 :こちらからお読みください。
スイッチ :こちらからお読みください。
高達 :もう一度物語を読む。
ハマグネット :こちらからお読みください。
三味線 :こちらからお読みください。
こども :こちらからお読みください。
夏橙 :こちらからお読みください。
メンバーリンク(五十音順)
いなにわ(http://ameblo.jp/grondion/ )
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小枝 :こちらからお読みください。
甲冑 :こちらからお読みください。
スイッチ :こちらからお読みください。
高達 :こちらからお読みください。
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三味線 :こちらからお読みください。
こども :こちらからお読みください。
夏橙 :こちらからお読みください。
=== 注意事項 ===
① 第1幕を舐めまわしたあと、お読みください。
② 小枝とスイッチ、高達と夏橙、甲冑と三味線 は、
同じ変態宅でお披露目しております。
ひとつずつ記事を遡って、各キャラとの逢瀬をお楽しみください。
③ イベント期間は設けておりません。
どうぞ永遠の乙女心を手に入れて下さい。
[ イベント第1幕はこちらから ]


