異文化 食文化 | 物質の下僕

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語りえぬものには、沈黙しなければならない












let me have my enemies butchered

P&Jに行く道すがら、二人の男女とすれ違う。

二十歳過ぎくらいだろうか。仲良さそうに、嬉しそうに二人ともニコニコしている。ある点を除けば何の変哲もない、どこにでもいる男女である。

二人はパッケージを開けたばかりの、何の変哲もない食パンをムシャムシャと食べながら歩いている。食パンは確かに何の変哲もないが、若い男女がそれを食べながら(ただ何もつけづにそのままである)歩いている図は、、、

昔々、私が小学生だったころ、日雇い労働者らしき人が、何もつけない食パンを袋ごともって、むさぼり食べているのを見たときにはかなりショックを受けた思いがあります。だって、今でも鮮明に憶えていますもの。

異文化との遭遇、初体験、ということです。いや、おおげさじゃなく。

今回はそれに匹敵します。 でも、ふと考えました。 彼らは日本人だったのだろうか、と。
偏見に基づく見解ではありませんよ。 確かに彼らは今考えるとあの界隈でかなりの数が行き来している中国人だったような気がします。 そういうことなら正に異文化ですからある意味納得です。


私はといえば、P&Jでスコーンと紅茶(今日はアッサム)をいただいて、すっかり異文化。胃の調子も上々。パスタの新アイディアも思惑通り。

幸運(悪運?(笑))は私のとり得ですが、P&Jのマスターに引き合わせていただけたことは最近、最も幸運な出来事。マスターの奥様も、お母様も、お父様もみな良い方です。(あっ、お父様は偉大でもありますが(笑))


さてさて、ところでなぜ「食パン」と呼ばれるのか。諸説あるようですが、私が以前に聞いたのは「主食用パン=食パン」というものです。この説の信憑性は、日本で初期に普及した代表的なパンがあの有名な銀座中村屋の「あんぱん」であるという事実、つまりパンはおやつの一種であるということに裏付けられているように思うのです。