ZELIG | 物質の下僕

物質の下僕

語りえぬものには、沈黙しなければならない












let me have my enemies butchered

ウディ・アレン制作、主演の映画、「ZELIG(カメレオンマン)」をご存知だろうか。
私としてはこの作品がほとんど知られていないのを大いにいぶかると同時に当然と考える。なぜなら、私の感性にこれほどピッタリとはまり、これほど面白いと思う作品を他に思い出すことができないからである。そのことはすなわち、私の感性の特異性を思えば、この作品が世間での評価にのぼらないのも、なるほどと納得できるという次第である。

現在は恐らく、レンタルビデオ店で見つけられればかなりの幸運だろう。もし偶然にでも見つけたならば、ご覧になることを是非おすすめする。
誤解を恐れずに言えば、この作品を評価するには極めて高い知性が必要とされる。そうした意味でも強く御勧めする。結果として面白くなかったとしても、なにも卑下することはない。私ほどの知性、洞察、理解の能力を望むほうが無謀というものなのだから。人生を平穏に過ごしたければ、必要なのはむしろ適度な鈍さである。