多分、一番好きな映画のひとつ。それが「ブラジル」(邦題「未来世紀ブラジル」)です。監督はイギリス人のテリー・ギリアム、その昔、伝説的TV番組「モンティパイソン」作成に参加。最近わかったことですが、爆笑問題の大田君がメチャメチャ、テリーのファンらしい。ある番組でインタビューしていました。
同じような設定の作品は小説にも映画にも、そしてアニメにも散見されますが、ブラジルは白眉。見る人を選ぶ作品ですが、ある種の人には何にも代えがたい魅力を持っています。主人公の乗っている車がまたいいんですね。メッサーシュミット製でこの映画のためにレストアして動かしたらしいです。こんな車があるんなら、私も運転免許をとりたいと思いました。
この種の未来を描いた作品の嚆矢はやはりジョージ・オーウェルの「1984」でしょうかね。すぐれてP.K.ディックの得意とするシチュエーションでもあります。ともにスターリニズムのソ連の脅威が背景になっているのも興味深い事実です。ヨーロッパやアメリカの人々は私たちよりもずっとリアリティをもってソ連や核の脅威を受け止めていたんでしょう。そういう意味では極めて20世紀的作品です。
- 未来世紀ブラジル
- ¥500
- 株式会社レントラックジャパン