最近のオーディオ事情の魑魅魍魎 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

お地蔵さん 2018年1月27日 朝8:10 撮影


NaimAudio Mu-so Wi-Fi機能を有するアンプ内蔵スピーカー(アクティブスピーカー)

繋がっているのは電源ケーブルとCDプレーヤーを繋ぐ光ケーブルだけ

 

新居の整理が一段落して、音楽に向かう時間が増えてきた。

美しいフォルムのMu-soが1台とiPhoneかパソコンがあれば、あとは何も要らない。

安価な出費でそこそこの音が出る。

 

単純明快だ、と言いたいところだがそうは行かない。

ソースをいろいろ用意すると機械が考え込んでよくフリーズする。

 

・パソコン内のiTunesライブラリ

・ウェブ上のソース

・iPhoneから鳴らす

・CDプレーヤー・・光ケーブルで接続

などなど色々な使い方をすると、そのたびに数分間の不快な設定タイムが介在する。

一番単純なのが、光ケーブルで接続したCDプレーヤーで、当たり前だがこれならスムーズだ。

 

 

McIntosh C-29 1982年頃 購入

 

LUXMAN L-509X 2018年1月 購入

 

一方築54年の建物だが、ワイン庫を独立させたこともあって、

20年ぶり?にまともなオーディオ装置を復活させた。

 

昨年後半に35年ぶりに新しいスピーカーを導入し、35年以上前のプリアンプと

28年以上前のメインアンプで駆動していたが、新旧混在していることもあって

このシステムの音の質がどうなのかまったく分からない。

 

アナログレコードをかけると左チャンネルの音が消えたりする。

その原因がプレーヤーにあるのかプリアンプにあるのか、いろいろ試行錯誤しないと

判明しない。

 

カートリッジを交換すると正常になったりするので、アンプのせいではないと分かったが、

結局原因はTechnics製のトランスであると判明した。

トランスをPassする回路が断線しているようで、MMカートリッジにすると左の音が出ない。

 

トランスみたいな一番単純な機械、しかも増幅回路を通さないラインが切れてどうするんだ

と思うが、切れそうなのはこちらの方だ。

このトランスも40年選手なので、文句を言っていくところもない。

 

しかしやっぱりアナログレコードの音質は素晴らしい。

40年前の装置を今鳴らしても、新しい装置で鳴らしても、あのCDの規格は何だったんだと

思わせる情報量の多さである。

 

ただしうちの装置、高級CDプレーヤーが故障して下取りに出したので、

数万円の安価なLDプレーヤーで代用している。

パソコンの音源は、25,000円ほどのDAC(デジタル・アナログコンバーター)を

通しているので、レコードとは比較にならない。

 

ヴァイオリニストの友人は何と200万円のDACを使っているらしいが、

こんな機械にクルマ1台分の金額を投資するだけの決断は、わたしにはとてもできない。

 

音楽を聴くという、ただそれだけの目的でオーディオ機器を所持しているのだが、

さすがに40年近く新製品を購入していないので、浦島太郎と化している。

ネットや雑誌でいろいろ調べているが、略語だらけでさっぱり分からない。

 

意味不明の例文

 Sonica DACのスペックをフルに活用するにはUSBでのコンピュータとの接続が

 必要不可欠だ。Windows機とのUSB接続では最大768kHz/32bitのPCM、あるいは  

 22.6MHzまでのDSD(DSD512)が再生可能になる。Macとの接続ではDoP方式のみとなり、

 DSDは最大11.2MHz(DSD256)だが、いずれにしろこれらのモードを活用する場合には、

 他の経路は使えないからだ。

 

電子カルテを使っているおかげで、多少LANに詳しくなったため、ネットワークオーディオが

どういうものか、少しは理解できてきた。

 

要は、パソコン内にある音源、もしくはウェブ上の音源(ラジオやNaxosなど)を

無線または有線でどうやって本格的なシステムで再生するかという話である。

そこにどれだけの投資が必要なのかが問題となる。

 

40年以上前から聴いている音の質は下げたくない。

McIntoshのプリとメインのアンプは、当時合わせて100万円近くした高級品である。

プリのC-29を購入する際には、Accuphaseのプリと比較した。

 

オーディオショップから週末に2台借り出して、自宅で聴き比べた結果、

相当な差異があって迷わずMcIntoshに決めた。

当時のLUXMANの高級機種は店頭で聴いただけで音がブヨブヨしていたので、

最初から外した。

 

そこから40年近く経過した。

愛用したMcIntoshを手放して、プリメインアンプを新たに購入しようと決心した。

 

自宅の新しいスピーカーはDYNAUDIO Excite X44だが、これが試聴できる店は

西日本ではおそらくジョーシン三宮1番館しかない。

ここで試聴して購入したのだから、これに合わせるアンプを選ぶにはこの店に行くしか

ないというわけだ。

 

そこで1月6日、診療終了後に出かけていった。

ヘーゲルやアトール、スペック(国産品だった)など海外製のマイナーなメーカーのアンプは

色々ウェブで見かけるが、自宅に持ち帰って試聴でもしない限り本性は分からない。

数十万円のものを、デザインだけで選ぶようなリスクを負うつもりもない。

 

機械に振り回されるのは嫌である。

デザインに優れたアトールなど魅力はあるものの、故障したときに路頭に迷う。

昔に顔が好きだったQUADのアンプの故障が直らず、お金をドブに捨てたこともある。

もう重すぎるMcIntoshとは縁を切りたい。

 

そうなると比較的安全な国内メーカー、クルマで言えばトヨタやスバルといった

いつでも修理が効くものでないと安心できないと思った。

 

そこで比較したのは店頭にあったLUXMANのL-507uXⅡとAccuphaseのE-650であった。

気に入ったのはLUXMANの方だったが、決めたのは店頭にない上位機種L-509Xとした。

 

おそらく人生で最後に買うアンプだろう。

クルマで言えばベンツのように趣味性より堅実さ重視し、オーディオ装置には気を配りません、

という選択だと思う。

ヘーゲルやアトールでDYNAUDIOやHarbethを鳴らしてみたいと思うけれど、

それは音楽とは違う趣味の世界である。

 

それにしてもオーディオの世界はちょっと異様だ。

中古品が闊歩しているとはいえ、まともな経済観念の人間が入り込める世界ではない。

基本的な装置を揃えたら、あまり関わりたくないと35年ぶりに思った。