お盆の旅行から帰国して4週間が経過し、旅行中に発症した帯状疱疹も一段落した。
早期から抗ウィルス剤を内服できたせいか、神経痛に悩まされることはなく、
痒みだけが症状として残っているものの、徐々に軽快していくと思われる。
この1ヶ月間で、相変わらずぼちぼちと外で食事をする機会があった。
もめん、ラ・シーム、シャンボール(リーガロイヤルホテル内)、ポワンと
一流店ばかりを訪れ、それなりにワインも開けている。
滅多にお目にしないワインも体験できたが、それなりに経験を積んできたせいか、
自分の体験の延長線上にあるものばかりで、改めてワインは価格やブランドだけで
語れないものと再認識した。
長らくブログ更新を怠っていたのは、今週火曜日に会った阪大の学生講義と
昨日札幌であった排尿機能学会での発表の準備をしていたからだ、ということにしておこう。
実はそんなことはなくて、診療が忙しくて首が回らなかっただけである。
本当は学生講義や、抄録提出済みの学会発表の準備にはそんなに時間はかからないのだ。
阪大と近畿大学では数年前から1時間だけ講義を持たしてもらっているのだけれど、
その年によって学生の反応が大きく違うので難しさを感じている。
医師相手、一般市民相手の講演だったら会場の方々は時間を割いて学ぶことを目的に
来ておられるので、ずっとやりやすい。
学生は正直だから、面白くない話をすると寝るか出ていくかという実力行使に出る。
昨年の阪大、今年の近大と2回続いて学生に受けない結果となり、
自分としては相当落ち込んでいた。
敗因を自分なりに反省してみたのだが、実臨床での症例を提示して学生に診断名を考えさせる
というのが間違いであった。
医学部の3年や4年では、まだピンと来ないのである。
しかしそれより大きい要素は、「気温と湿度」である。
要するに蒸し暑いと学生の根気が持たないのだ。
だから先週末から火曜日の気温を気にしていた。
幸い今年は秋が早く来て、8日は涼しかったので学生の集中力を惹きつけることに成功し、
一昨年と同じように満足が行く話ができた。
講義・講演には「つかみ」が非常に重要であることも再認識できた。
今年の阪大医学部4回生はまとまりよくて優秀だと感じたのだけれど、
昨年の4回生の講義室での雰囲気の悪さには少々呆れた。
教授に話を聞くと試験の成績も悪くて、30人くらい追試したそうである。
毎年難関入試を突破してくるはずなのに、こうも雰囲気が違うものなのだ。
それを思うと、同じ畑のワインで毎年大きく出来が違うことくらいで驚いてはいけない。