先週に医師会の勉強会の際、医師会の先輩の先生から拝借した本である。
当たり前かもしれないが、放射線科医にはコンピューターに詳しい先生が多い。
この先生も元々放射線科医で、ITに非常に詳しいのでいつも教えてもらっている。
わたしもITに詳しい方だときっと思われているが、とんでもない。
ITへの憧れはある単なるアナログ人間である。
この先輩の先生のスマートさに、いつも舌を巻いている。
さてこの本、愛知県の若い耳鼻科の先生が書かれた、実体験に基づく電子カルテ導入記である。
早速読了したが、軽い文章とは裏腹に、真面目に書かれた本であった。
これを読んで感じたポイントは下記である。
この著者は1日250人も診る耳鼻科医なので、いかに効率よく電カルを使うかを紹介している。
いくら使い込んだ人でも、結局自分の使った電子カルテのことしか分からず、
他のものとは比較できない(当然のことである)。
この著者は、考えられない金額を電子カルテに投資している。
何でこんな本を読んで記事を書いているかというと、
8月末に電子カルテに関する1時間の講演を頼まれているからである。
昨年電子カルテを入れ替えたため、いろいろ経験したから話すことがあるためだが、
調べれば調べるほど、わが国の診療所用電子カルテの乱立ぶりが分かる。
わたしも含めて普通の医師だったら、何を選んだらいいかさっぱり分からない。
東大政策ビジョン研究所のA教授が言われた通りの、日本の電子カルテのガラバゴス化に気付く。
講演では、この点を整理して話したいと思う。