まともなACブル2本・・ノエラとアルヌー | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ACブルゴーニュ アラン・ユドロ・ノエラ 2009・ロベール・アルヌー 2005
購入日    2012年3月・2007年9月
開栓日    2013年3月
購入先    どちらもヴェリタス
インポーター どちらもラック・コーポレーション
購入価格   2140円・3380円

最近ACブルゴーニュの記事が増えているが、多分資金に余裕がないのではなく、
精神的に余裕がないのだ、と思う。
それだけワインにかけるエネルギーが無くなっているのかも知れない。

今月もプレゼンが2つ控えているが、あとの方は学会総会のイブニングセミナーで、
座長も演者も大物揃いの会である。
もはや慣れっこで緊張はしないが、周到な準備が必要だ。
まあ、2~3時間あれば周到だ、と思う自分がすでにおかしい。


さてワインの話に戻すが、ACブルゴーニュだからといって、
2000円も3000円もするのだから、不味くて許せるわけがない。
これで1000円で買えるスーパーのワインより飲む価値のないワインだったら、
もはやブルゴーニュは絶滅の危機にあると言える。

ここに挙げた2つのワインだが、いずれも1流の造り手である。
ことにノエラは最近昇り調子のようで、入荷数が少ないせいか、すぐに売り切れる。

このワインの2010を、早くもラブワインさんが開けておられるが、
2009もさして印象は変わらずで、ベリーと酸が特徴であり、適度に薄旨に仕上げている。

悪く言えば、何の不満もないが何の印象もない、と言うほかはなく、
価格を考えればよく頑張っているワインであった。

かたやアルヌーの2005だが、こちらはノエラの真逆を行く濃い抽出のワインで、
これでもACブルゴーニュかと思うくらいボディがしっかりしている。
下手な造り手の村名より、はるかにボディがどっしりとしているのが驚きである。

アルヌーという造り手は、酸が足らなくてエッジが丸く、
これまで好印象を持っていなかったのだが、
こういう裾ものでは予期せぬ濃さが売りとなり、価格を超えた風格があるから皮肉だ。

これだって購入してから5年半、今をもってまだ昇っている最中で、
裾ものでありながらかほどに長熟なあることに敬意すら覚える。

1本しか購入していないが、このスタイルに違和感を覚えないのであれば、
安くはないがケース買いする価値がある、と言って良いだろう。

一時期話題になったボルドーのシャトー・モン・ペラのような、
品のない重さを持った俗受けするワインと比べると、次元の違う高品質なワインである。

だからといって、この造り手の1級ものを好きになれるとはとても思えず、
せいぜい村名クラスまででがんばって下さいね、と思う程度なのだけれど。

しかしACブルゴーニュを語ることの難しさと虚しさは、
いかんともしがたいものがある。