シャトー・タケダ シャルドネ 2007
昨年訪問した山形のタケダワイナリーのプレミアムワインである。
土壌改良された専用の自社畑のブドウから造られ、フレンチオーク樽で熟成させるらしい。
ネット上の紹介文には
「タケダワイナリー自家農園のぶどうが、最高に達した年のワインだけが、
“シャトー・タケダ”を名乗るのです」とある。
「力強いボディ」とも書かれており、かなり期待して開栓した。
結果は肩すかしで、透明感があって果実は美しいが、小さくて弱々しい。
ことにミネラルが乏しく、日本の土壌には石灰分が少ないのでは、と感じた。
昨年訪れた京都嵐山近くの松尾大社の境内に、「亀井の水」と呼ばれる湧き水があるのだが、
それがすごく柔らかな水であることに感心した。
このワインを口にして、その時の印象が浮かんできた。
このボトルは頂き物で、酒造元を出てからどのような温度管理をされていたかは分からない。
かすかな熱入りであることも非定はできないから、このただ1本に対する感想をもって
このワインを語るのは控えた方が良い、と思う。
しかしこのワイン、6,500円程度の値が付けられており、ブルゴーニュの1級クラスが
買える価格なわけである。
実際の手間暇を考えるとこれでもリーゾナブルかも知れないが、
ここまで出すなら、世界中の多くの高品質なシャルドネが買えてしまう。
実際に昨年蔵も訪問したし、個人的には今後一層品質を上げ、
同じ価格帯のブルゴーニュなどに勝るものに育って欲しいと心から思うが、
ワイン造りの道とは、厳しいものなのだろうなあ、とこの1本からは想像された。