茎っぽく硬い・・トロ・ボー | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
ドメーヌ・トロ・ボー ショレイ・レ・ボーヌ 2004
購入日    2006年8月
開栓日    2011年11月30日
購入先    ヴェリタス
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格    3140円

またしても大したことのないブルゴーニュの開栓が続く。
状態の確認が開栓の目的の一つである、という理由もある。

こんなことを書くと造り手には失礼だが、ガメイだったルロワはもちろん、
ペロ・ミノのACブルゴーニュ2本も、1人で空にはできていない。
味見のために開けていて、半分くらいは残っている。

何とも勿体ない話だが、1人で飲んでいると途中で退屈になって、
飲むのを放棄してしまうのである。

ルロワを除き、品種は同じピノ・ノワールだが、どれもこれも似たようなワインではない。
いや、フツーの人が飲んで似たように感じても、オタクが飲めば違いが分かる、くらいの違いはある。

10年前のこのクラスのワインの質はどうだったか、というのはよく知らないし、
自分のテイスティング能力も増し、経験も積み重なっているから、単純に比較はできない。
しかし、昔はもっとこのクラスのワインでも美味しいと思ったことは多かった。
だんだん贅沢で不遜な人間になって来ているのだろう。

さてこのワイン、またも2004だが、ヴィンテージの弱さを感じさせない。
しかし、先日開けた同じ造り手のサヴィニー・シャン・シュブレ 1er Cru モノ・ポール 2004
うって変わってタンニンが多く、茎の青さも感じる硬いワインである。

ちょっと硬さが勝って、平板で奥行きがない。
1級のモノポールものより1000円安だが、内容は倍くらい違う。
とは言っても、ルロワのガメイよりずっと美味しい上に、この価格はお買い得の範囲にある。
コート・ドールでもマイナーな地域だから価格もそれに見合っているのだろう。

コート・シャロネーズの住人は、金持ちであってもわざわざコート・ド・ニュイの
ワインを買い付けて自分で飲んだりはしないだろうし。
そのあたりまで探索範囲を広げると、もっと安くて美味しい
ワインが埋もれているのではないか、と思う。

わが国では市場がないから、奇特なインポーターのバイヤーが
バクチ覚悟で買い付けて来ない限り、この日本で飲める機会は多くなさそうだ。

毎年11月に、あんなにまずいワインを高値で大量に輸入しているような
「味の分からない国民」に、貴重なワインを売ってくれる田舎の善良な生産者、
というのはもうブルゴーニュには居ないのだろうか。