濃い造り手の軽いヴィンテージ・・レシュノー | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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レシュノー ヴォーヌ・ロマネ 2004
購入日    2006年8月
開栓日    2011年11月10日
購入先    ウメムラ
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格   5350円

昨日に学会発表2件をすませ、ようやく気分的にも落ち着いた。
学会終了後の夜の懇親会には相当な人数が参加されていたが、
主宰校の京都府立医大の尽力によるものか、教授の人望があったか、学会場の立地が良かったのか。

懇親会をそこそこで抜けて、教室の後輩の紹介で、、
まいどの総長を含む4人で祇園のフレンチに繰り出した。
抜群に立地の良い店だったが、ワインリストが充実していて、
リストにビゾのヴォーヌ・ロマネ VV 2008 があったので開栓してしまった。

調子に乗って、この店にはワインを持ち込めますか、と聞いたら
何と5000円だと言われて仰天した。
「そりゃ高い。持ち込めませんと言われた方がすっきりすると思う」
と言って暴れて最終電車で帰ったが、立地も料理も良い店であった。

これでやっと一息ついたものの、今週は超忙しかった。
家1軒の隅から隅まで物品を確認して、残すべき最小限のものをピックアップし、
先週末処理業者を入れて家中を空っぽにし、火曜日に不動産そのものを売却した。

そのたった2日後の昨日が学会発表だったのだが、それも1日に2件あった。
1つは一般演題だったが、もう1つはまいどの総長が座長のシンポジウムで、
東大教授・理事長といっしょにシンポジスト、というかなり重い仕事である。

その準備を細切れ時間で、しかも合計3~4時間で仕上げる、という芸当をこなし、
寝床で睡眠中にスライドを反芻してぶっつけで本番に臨んだ。
正直のところ、学会準備など何の苦にもならず、遊び半分でやっているようなところもある。

2件のうちもう1つは一般演題で、ある薬剤の治療成績をまとめたものだが、
データをまとめたところ、統計処理とフィギュアはそのメーカーの学術担当者が用意してくれた。

だったら楽なものだ、と思われそうだが、もちろんちゃんと手を入れる。
ウィンドウズのパワポで創られたものを、マックのKeynoteに移植し、
フォントを全部変更し、サイズも大きくし、結果と考察の文章を自分流に大幅に改変した。

Keynoteは実に良くできたソフトで、短時間でスライドが見違えるように
リファインされるのが気持ちよい。

問題はシンポの方のスライドで、近畿厚生局が開示した資料の数字などを盛り込んだのだが、
学会で金の話をするのがわたしのお家芸みたいになってきた。

(在宅関連の発表をした後輩の先生に対して)
わたし「せんせ、酒飲まないんですか」
後輩の先生「あまり飲みません」
東大教授「griotte先生、お酒好きだからねえ」

これがマイクを持ってのシンポの質疑応答のディスカッションだから笑ってしまう。

シンポ終了後、東大教授から「先生のスライドの数字面白いから、あとで送って下さい」
とお願いされてしまったのが、なおさら面白い。
ウサギの写真も入れて送ってやろう。

さて、これで仕事は終わりではない。
明日には臨床医会の研究会があり、ゲスト演者の神戸大教授といっしょに
夜にはワインを飲みに行くことになっている。

明後日には、わが医師会主催の学会があり、1日中会場係をすることになっている。
おまけに自分の発表もあるし、座長も頼まれている。
発表準備は、昨年発表した演題の焼き直しなので、さっき10分少々で仕上げてしまった。

そして来週の土曜日には、またしても小1時間の講演を依頼されているのだが、
だいぶ先の話なので、その準備は来週になってからする予定だ。
この講演がなければ、沖縄地方会に行く予定だったのになあ。
まったく、何が本業か分からない。


さて、そんなこんなでゆっくりワインを味わっている余裕がない。
あまりこだわらずに済むものばかりを選んで開栓している。
今回はまたも2004シリーズで、レシュノーのヴォーヌ・ロマネである。

レシュノーは濃いピノの造り手だと思われているし、実際そうだと思うが、
2004というヴィンテージならさほど濃さも気にならないだろう、と期待した。

まさにその通りで、開栓当日だけまったりとして濃い黒系果実を感じるが、
どことなく全体は軽やかで、ちょっと拍子抜けする。
それでも軽めの肉料理にはよく合う。

翌日になると酸味も出てきて、濃さが感じられなくなるのだが、
腰回りの小回りがききにくく感じるところが、レシュノーの特徴なのだろう。

ミュニュレ・ジブールの都会的な洗練度には及ばないが、
ヴォーヌ・ロマネらしさはよく表出されているので、まあ良しとしよう。