バランス取れた美酒・・ミクルスキ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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フランソワ・ミクルスキ ムルソー 2004
購入日    2006年12月
開栓日    2011年8月4日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター オルヴォー
購入価格   6000円

もう5年近く前に、この造り手のアリゴテとムルソー村名の2004を1本ずつ
Alcoholic Armadilloさんから購入した。
アリゴテの方は早々と飲んでしまったが、ムルソーの開栓が今頃になった、というわけである。

その後どこか(たしか心斎橋のル・サーカス・ビズ)で、このワインの2005飲んだことがあるが、
エチケットがあまりに下品になっていて驚いたことを覚えている。
つまり先に2005を経験済みなのだが、不作の年とされる2004が後回しになったわけである。

このドメーヌは91年設立らしく、かつては有望な若手の造り手みたいに言われていたようだが、
今ではそれなりに有名にはなっているみたいではある。
しかしあの2005以降のエチケットではなあ。
一体どんなセンスをしているのか、疑いたくなるのも無理はない。

で、この2004、酒質はやや細めだが非常にバランスが良くてミネラリー、
花のような甘めの香りがあって、中心に小さな果実が結実している。
ちゃんと酸のエッジも立っていて、今が開け頃として丁度良かったなあ、と感じた。
2日目にも落ちることなく、余韻が保たれているところなど、たいへん立派ではある。

ポール・ペルノのピュリニー村名2005なんかより、よっぽどこっちの方が上質で長熟だと思う。
ただし1本ずつしか開けていない感想ではあるのだけれど。

しかしブルゴーニュの白に関する記述を恥ずかしくないように記載するのは苦手である。
ひどく経験不足を感じてしまう。

ベートーヴェンやモーツアルトを聴き慣れている人が、初めてマーラーを聴いた際、
それがバーンスタインが振った第1番だったとしても、
どの程度個性的な演奏なのか分かるよしもない、というのと同じである。

しかしこのワインが、村名としては安くないにしても内容は価格を上回っている、
ということくらいは書いていいかと思う。

例によって、この1本しか買わなかったことを後悔しても、今さらどうしようもない。
エチケットがいやで、2005以降も買っていないのも、どうしようもない。