最上のヌフパプ・・ジュリアンヌ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
マルク・ペノ キュヴェ・デ・ザミ 2006
開栓日    2010年3月29日
インポーター エスポア

3月29日の月曜日、関東から来ているワインの師匠夫妻をまじえて、
高校の同期生が数人集まるというので、診療終了後梅田の小さなスナックに駆けつけた。
このワインの師匠であるフランス語研究者とは、前々日に大ハズレのフレンチレストランに
いっしょに行っている。

この会の音頭取りは、かつてはモテモテのプレイボーイ(死語)で、今はメタボのオヤジになった、
ワインインポーター・エスポアの社長である。
うちの診療所にも時々ワインを飲みにやって来るが、友人をものすごく大事にする男だ。
彼が輸入しているワインを、この小さなスナックに用意しておいてくれた。

まず最初にこのペノを開栓した。
酸が伸びやかでミネラルも豊かであり、本当に純粋無垢なミュスカデである。
これがたった1500円くらいだから、ものすごく安いと言って良い。

このペノのワインを扱っているあるワインショップのHPに、次のような記載があった。

  パレードに参列するシラク大統領は、その後、フランス大統領官邸 ”エリゼ宮” にて、
  政界、財界や著名人などを招いて盛大な祝賀会を開催します。

  2004年、この晴れのエリゼ宮祝賀会に、なんとマーク・ペノさんの 
  “ヴィエイユ・ヴィニュ ニュイタージュ2001” が飲まれました!

  大統領主催の祝賀会にサービスされるワインは、代々“フランスを代表する銘醸ワイン“ 
  ばかりです。その最高の舞台でペノさんのミュスカデが選ばれたのですから、
  まさにドメーヌ・セネシャリエールの品質は、大統領の舌もうならせるほどの
  トップレベルなのです。

まあその通りだと思うが、社長によると裏話もあるそうだ。

エリゼ宮にワインを納品するのに、ペノさん自身が車で届けたらしい。
その車がヘッドライトも点かないようなボロボロの古い車で、
しかもペノさんも農民丸出しの普段着で行ったものだから、警備の人に不審者扱いされ、
テロリストか何かと間違われて、ワインを大統領府に入れるのに難儀したそうである。

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ドメーヌ・ド・ラ・ヴィエイユ・ジュリアンヌ コート・ドュ・ローヌ 2006
開栓日    2010年3月29日
インポーター エスポア

ドメーヌ・ド・ラ・ヴィエイユ・ジュリアンヌ シャトー・ヌフ・ドゥ・パプ 2004
開栓日    2010年3月29日
インポーター エスポア

次に開栓されたのがこれらのワインたち。
ばらしておくが、おそらく市場価格はローヌが~4000円で、ヌフパプは1万円くらいかと思う。

わたしはブルゴーニュ馬鹿であり、今ではボルドーすらほとんど口にしない。
ましてシラーが使われたりする南フランスのワインなど、濃すぎて好みに合わない。

しかし今回のコート・ドュ・ローヌは、相当に洗練されていて、自分が持っている
ローヌに対する偏見?からはかなりかけ離れたものであった。
カベルネ・ソーヴィニオンの若いものはタンニンが乱舞していて飲めないが、
こちらは肌触りは滑らかで、きちんと果実とミネラルを楽しめる。

上級ワインであるヌフパプが次に開栓されると、これはもう段違いの良さで、
絹ごし豆腐のような肌理の細かさと滑らかさがあり、しばしうっとりとしてしまった。
ブルゴーニュの酸の世界とは違う特徴のワインだが、これは実に素晴らしく、
これまで自分が飲んだヌフパプでは,疑いもなく最上のものである。

聞けばかのパーカーが高評価し、更に上級のキュヴェには100点満点を付けたとかで、
引く手あまたになった結果入手困難になり、エスポアとしても困惑しているそうである。
調べてみるとそのスペシャル・キュヴェは価格は数倍し、5万円以上することも・・・

実はそのボトル、この場にあったのだが、この日は開栓せず、わたしがぶら下げて持って帰った。
もちろんもらったのではなく、後日診療所でブルゴーニュと合わせて開栓するためである。

ものすごく楽しみである。
持つべきものはインポーターの社長の友人?