2005をはるかに上回る掘り出し物・・リシャール | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
ドメーヌ アンリ リシャール マルサネ 2006
購入日    2008年2月
開栓日    2010年3月23日
インポーター モトックス
購入価格   2660円

毎度のことだが、2年ごとの医療費改正が行われた際の4月は急に暇になる。
理由はよく分からない。
この10年で医療費は10%くらい下がっているのだが、総額が増えていると喧伝されているので、
一般人には医療費は上がっていると思われているのだろう。

今回の医療費改定は、病院に厚く開業医には厳しいものとなったが、
再診料が2点下がったのが効いている。
皮膚科や耳鼻科、眼科などの処置料も下げられているが、われわれのところは
幸いにして再診料以外には下がったものは無い。
しかし元々患者数の少ない弱小科なので、相変わらず効率が悪くて苦戦を強いられている。

アホらしくて書く気にもならないが、「地域医療連携加算」という天下の悪法が
新たに制定された。
足立政務官が主導したのか、厚労省が考えたのかは知らないが、
真面目にやってきた開業医に喧嘩を売っているとしか思えない。

同じことをやっていても収入は毎年減っていくので、モチベーションが下がる。
毎日同じことばかり言っているので、診療にも飽きてきたし、
いつまでこんな日々が続くのかなあ、と思いながら毎日ワインを飲んで撃沈する、という
我ながら情けない日々が続く。

今月から近隣に「地域医療まるで無視」という方針の新しいクリニックができたりして、
鬱陶しいことこの上ないが、新たなトラブルが発生しないことを懸念している。
医者は企業とは違うのであって、儲けることが最終目標ではないのだから、
医療にやみくもに市場原理を持ち込むことは馴染まないのである。


さてこのワイン、2005や2001と同じく、georgesさんのお勧めで購入したものである。
明示していないようだが、ビオの造り手だそうだ。
しかしビオらしい香りなどはまったくしない。

2001は2008年の購入時から枯れ気味であり、2005は何本も飲んだが、
最後の方は下降気味であった。
このワインのピークの時期はあまり長くなさそうだ。

だがしかし、この2006は2005をはるかに上回る出来である。
樽香無く自然な果実が美しい。
ほとんどジュブレと言ってもいいテロワールだが、まるで土臭くない。
村名レベルでここまで気品を表現できる造り手は稀ではないだろうか。

言い方は悪いが、これはこのボトルに限った偶然の産物では無かろうか。
2000や2001、2005と比べても出来が違いすぎる。
他のボトルでも同じだったら、わたしはこの造り手を大いに見直したい。

価格も安くて超お買い得である。
こういうのを掘り出し物だと言うのだろうが、この記事を読んだ人が同じワインを
買い求められても、きっと同じ感想は持たれないだろう。
「何やこいつ、味音痴ちゃうか」
と思われるのがオチかも知れない。

ブルゴーニュの不思議。