確定申告の季節 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

昨日会計事務所から昨年の確定申告の内容が確定した、と連絡があった。
最近あまり本業にがつがつしていないのだが、予想通りの減収減益。
すでにワインは相当数買い込んであるので、これから1本も買えなくても
数年は困らない、ってそんな問題ではないだろう。

うちの診療所の医療水準は、専門医としてはかなりのレベルにある、
と自負はしているものの、細心の注意を払わねばならないのは当然だ。
昨日は同業者の医師が身内の診断をわたしに委ねて来られたし、
本日も老人ホームから紹介されてきた患者に、緊急手術の手配をした。
後送病院の先生方には、足を向けて寝られない。

しかし、医療レベルの維持に努力することは、経済的に報われることと直結しない。
この時代、勤務医・開業医にかかわらず医療者は経済観念を併せ持っていなければ、
結局自滅することになってしまう。

昨年なぜ減収減益になったのか、正確なチャートをまだ見ていないので分からないが、
要は経費で使えば所得も税金も減るわけで、どこに落としどころを持ってくるか、
という問題もある。

昨晩の研究会で後輩の先生から、先生のところはどんどん患者は増えているのでしょうね、
などと言われたが、いいえ、昨年はかなりのマイナスだったよ、
と答えたらちょっとびっくりされた。
収入が減ってもクレーマーになりそうな患者を可能な限り抱え込まない、など、
毅然とした診療を心がけることが大事だと思う、とアドバイス(説教)してしまった。

自分のやりたいことをすることが最も幸せだとは思うが、振り返って他の選択肢を採った
他科の専門医と比較すると、診療報酬上冷遇されていることに気付く。
診療科の選択によって収入が大きく変わる現状には絶望感すら覚える。

今の診療報酬体系だったら、もう一度医師をやり直せるとして、
わたしは2度と同じ専門科を選択しない、と思う。
その思いから、臨床医会の活動に意義を感じているのであるが。