コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ シャンボール・ミュジニー 2000
購入日 2005年11月
開栓日 2010年1月10日
購入先 河野酒店
インポーター クラレット
購入価格 8990円
新年明けて相変わらず多忙な診療の毎日が続く。
昨晩は西宮の大先生が主催の臨床医会の会合に、まいどの事務局長とゲストで参加して、
美味しい寿司屋さんを訪問することになった。
西宮北口駅から東南方向に1㎞ほど離れたところ、甲子園短大の隣にある
「まき田」という店だったが、大将はまだ30代半ばであった。
直心の大西さんがお勧めの店だ、ということだったが、さすが魚の専門家が勧める店だけあって
とても丁寧な仕事をされていた。
さて、今年2本目のピノ・ノワールはヴォギュエである。
前に開けた1本目からもう4年も経ってしまった。
前回と同じく今回も正月に開栓したが、特に意図したわけではない。
ひ弱いブドウの育った年であった2000なので、ちょっと遅めの開栓かなと
不安感を持って開栓した。
最初の香りと一口から、果実が後退して落ち気味ではないかと一瞬感じたがまったくの杞憂で、
果実が後退したからこそ本領を発揮するような強い酒質のワインである。
シャンボール・ミュジニーだからふんわりとして女性的なワインだろうと思って飲むと、
実際のワインとのギャップとの大きさに驚くだろう。
甘くて優しいピノ・ノワールの対極を行き、エッジが立って一本芯が通っている。
おそらくこのワインの酒質の強さは上質のタンニンが一働きしているためだと思うし、
ミネラルも豊かである。
香りもまた非常にストイックで、花や果実の華やかさは無く、飲み手に媚びるところなど皆無だ。
緑家さんご推薦の上出来のリースリングは、ブドウそのものの魅力を味わうものではなく、
ブドウは土壌のベクターの役割を果たしているに過ぎない、と感じるのだが
このワインはそのピノ・ノワール版である。
翌日も相変わらずで、初日とほとんど変化はない。
鍛えられた体育会系の体躯で、色気とか妖艶さとかは一切なし。
ムラヴィンスキーが振ったグリンカの「ルスランとリュドミラ序曲」そのものである。
こういう贅肉が無くて遊びのないワインを毎日開けるとしたら、きっと疲れるだろうと
思うのだが、たまにはいいだろう、と思う。
実際この1本は楽しめた。
しかし、これが典型的なヴォギュエのスタイルなのかなあ。
何せお高いのでそんなにたくさん開けたことがなく、よく分からないのだが、
1本目のボトルともかなり印象は異なるし、偶然の産物なのだろうか。