枯れモード・・ペルトー | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ヴァンサン・ドニ・ペルトー ジュブレイ・シャンベルタン クロ・デ・シュゾー 2002
購入日    2005年1月
開栓日    2009年10月26日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格   3380円

何のかんのと忙しく、更新ペースが飲む量にまるで追いついていない。
今日も天気の良い日曜日だったというのに、朝早くから大阪府医師会館に出かけて
学会発表を済ませてきた。

例年ある大阪府医師会医学会総会が今日だったからで、毎年助成研究で10万円せしめているので
発表の義務があるのだ。
本当のところ助成金などより参加することに意義があるのであって、
マイナー科の臨床医会の広報係の業務みたいなものである。
さて、来年の研究内容をどうしようか。

昨晩帰宅したのは日付が変わってからであるから、まあ我ながらタフな生活ではある。
昨晩は大学の同窓会があって、卒業生120人中57人が集まる、という大盛況の会であった。
あたりまえだが卒業生は全員医者ばかりである。

国立大学らしく、開業医より勤務医が断然多くて、大学教授もゾロゾロいる。
たまたま同じ地域に住む4人でタクシーに相乗りして帰宅したが、
わたし以外の3人中2人は現職の阪大医学部教授で、もう1人は阪大教授選に破れた元助教授だった。

ある同期生は13年間開業医をやったあと後継者を見つけて廃業し、京都大学の考古学教室の
大学院生になっていた。
昨晩ミケーネから帰国して関空から同窓会場に直行してきて、時差ぼけだが明日は早朝から
テニスの試合だ、などと言っていた。
同じ医学部の卒業生でも人生いろいろである。

彼は元々考古学者になるつもりだったが、大学受験の頃に親が体調を崩したことをきっかけに
医学部に入ってしまった。ン十年経ったが、今が本来の自分の人生だ、などと言っている。
自分が在学している京大の研究室の教授は弟だそうだから徹底している。

この友人は学生時代からすごい秀才だったが、出身校は奈良の東大寺学園で、
この学校には極めて独創的なOBが多い。
まさか自分の息子が彼の後輩になるとは思わなかったが、うちの息子は彼に比べると
はるかに凡人である。


さて、フィクサンの造り手だが、ジュブレ・シャンベルタンにも畑があるようだ。
典型的なジュブレ・シャンベルタンではなく、土臭さに乏しくてやや細身で明るい。

開栓時期はどうも中途半端であったようで、微妙に落ちてきたタイミングだと思われる。
ぱっと明るい健康的な若さもなければ、古酒としての落ち着きにも欠け、
欲求不満が残る1本であった。

保管状態が悪かったから落ちていた、というのではない。
出荷後の熱入りによる劣化と自然な老化との区別はけっこう自信を持ってできるように
なってきた、という自負はある。

最盛期を過ぎたリート歌手が、出ない高音をテクニックでカバーするがかつての輝きは感じられず、
もやもやとした気持ちでコンサート会場を後にして、帰宅してから全盛期のレコードを
取り出して、現実とのギャップに嘆息する、みたいなワインである。

セラーにはまだまだ2002あたりのさしてブランドものでないブルゴーニュがあるのだが、
開栓時期をどうするか考えものだ。
古酒は好きだが中途半端な枯れワインというのは、どうも惨めったらしくて頂けない。

広域ものや村名クラスの2002あたりは、今の時期難しい状態にあるのかもしれない。
かといってこれからずっと保管しておいても、将来があるかどうか疑問ではある。