デュジャック(ネゴシアン) シャンボール・ミュジニー 2003
購入日 2005年12月
開栓日 2008年11月24日
購入先 フィッチ
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格 4600円
先週の東京日帰り講演を済ませたあと、その翌々日に某医師会女医会に招待されての講演を済ませ、
これでひとまず年内の講演の予定は無くなった。
自画自賛するようだが、東京での記者相手の講演はほぼ読み通りの反響で、
それなりの成果はあったと思う。
東大教授のデータがなければ、何も偉そうなことは言えなかったわけで、
今度お会いした際には,丁重にお礼を申し述べねばならない。
先週末の女医会の講演は、20数名の女医さんに囲まれての楽しい会で、
ワインの話もした。
同業者に身びいきな感想だが、老いも若きも女医さんというのは、品があって話題も豊富で、
これだけ集まると独特のセレブな(この表現ベタ)雰囲気が漂う。
こんな会なら,毎回呼んで欲しい。
さてこのワイン,超典型的な「シャンボール・ミュジニー村名」と言うべきワインであった。
もしシャンボール・ミュジニーのテロワールがまだ掴めていない、という人がいたら、
このワインを一口口にすれば、ただちに特徴が理解できるに違いない。
まったりと濃くて甘い果実がたっぷりと詰まっているが、けっして華々しいわけではなく、
しっとりして湿気ており、女性的で内向的である。
ちょっと言い過ぎが、これだけ濃厚で甘いにもかかわらず陰気なところがいかにも
シャンボール・ミュジニーだ。
ちょうど今がピークにあるように感じられ、果実が豊かで糖度が高く,酸味が乏しい、
という2003らしさがよく出ている。
上記の特徴はこの2003のヴィンテージだからこそうまく表現されたものではないかと思う。
そして面白いことに、決して広域ブルゴーニュらしくなく、1級畑の品位は持たない。
このワインによく似たものとして、同じヴィンテージのグロフィエのACブルがあるが、
もちろんシャンボール・ミュジニーらしさでは格が違う。
甘い果実がたっぷりで分かりやすく、一般受けするワインではあり、
かつてこんなワインがブルゴーニュの典型ではないか、と思っていた時期もある。
しかし、毎日こんなピノ・ノワールばっかり飲んで過ごす、という生活は、
今のわたしにはちょっと想像できない。
同じワインでも、もう少し細身で、きりりとした酸を出してくるヴィンテージのものの方が、
個人的には飽きないな、と思う。