今年最後はやっぱり六覚燈 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

今年もあと数時間で終わりだが、まだブログに記載していないワインはいっぱいある。
最近ワイン大学を主催されるgeorgesさんの会に時々参加させていただいているが、
料理とワインの内容はすでにそのブログで紹介されているので、畏れ多くて
こちらではコメントを控えている、というかサボっている。

それ以外には、六覚燈に11月に突然訪問したときの記録と、12月に弘屋に訪問した際の
記録が2回分抜けている。
弘屋の記録は来年回しにして、今年最後は六覚燈の記録で締めくくろう。

この店のことを紹介すると、必ずと言っていいほどネガティブなコメントが入るのが
不思議である。
わたしは別にこの店で特別扱いされている、とは思っていない。
この店の料理は串カツだけだから、基本的に誰が行っても料理に関しては
同じ質で同じ値段であるはずだ。
常連客には面白くないかも知れないが、初めての客でも安心であると言える。

問題はワインだが、これは主観が入るから難しい。
わたしは、ここで出されるワインの価格はそこいらのワインバーより安いと思うのだが、
値段を明記したワインリストがないからいろいろ憶測を呼ぶものと思われる。
ワインの価値を知っている客なら、まず失望することはないだろうと信じる。

さて、もう1ヶ月以上前になるが、南大阪XX研究会がスイスホテルで開催された。
一般内科医も含め、120人以上も集まった大きな会であり、研究会の内容は
某大学教授が最終決定された。
メインの講演は最近親しくなった東大の前助教授だったが、名誉なことに
わたしが前座を務めさせていただいた。

会の責任者であるこの教授、すでにこのブログにも何度か登場している。
これはお世辞ではなく、彼は医師として優秀かつアグレッシブな人物で、
同時に極めて優秀な臨床家でもある。
その性格を反映してか、ワインは力強いボルドーが大好きだという。

そこでいつもわたしと衝突するのだが、普通の人間の倍くらいのエネルギーを持つ
こんな希有な医師が、たおやかなブルゴーニュが好きなはずはないのは
当然と言えるかも知れない。

で、その研究会終了後、メインゲストの東大の先生をお見送りしたあと、
どこかに飲みに行きましょうということになって、飛び込みで六覚燈を訪れた。

飲んだワインの細かな印象はもうはっきりと覚えていないが、さすがにこの日は
いろんな話題が飛び交い、ワインが主役ではなかった。
彼と丁々発止の会話をするのはものすごくエキサイティングである。

中山さんに
「この教授、ワインの趣味が悪いでしょ」と言ったら
「でも先生、今日はえらく楽しそうですね」
と言われてしまった。


ブシャール・ペール・エ・フィス(ドメーヌ・デュ・クロ・さん・マール)
ニュイ・サン・ジョルジュ 1er クロ・デ・アルジリエール 1995
飲んだ日   2007年11月17日
インポーター サントリー

いかにも中山さん好みの優しいブルゴーニュ。
わたしはこれが大好きだが、当然ながら濃いボルドー好きの教授は物足りなさそう。


アーニー エルス 2003 南アフリカ
飲んだ日   2007年11月17日
インポーター アルコトレード・トラスト

アーニー エルスとは、南アフリカ出身の著名なプロゴルファーだそうな。
造り手はよく知らないが、ラスエンフェーデという南アフリカのワイナリーらしい。
カベルネ・ソーヴィニオン61%、メルロー25%、カベルネ・フラン 5%、マルベック 5%、
プチ・ヴェルドー 4%と裏ラベルに書かれている。

教授の好みに合わせて力強いワインを所望したら、中山さんがこれをチョイスされた。
しかしこれでもどこか気品がある。
この教授にはもう少し下品でいいから、ドッカーンというワインであっても
よかったのではないかと思ったが、やっぱり中山さんはどこまでも上品な方なのである。


シャトー・コス・デス・トゥルネル 1996 ボルドー メドック
インポーター JALトレーディング

言わずと知れたコスだが、80年代はいくつかのヴィンテージを飲んだものの
最近はご無沙汰している。
しかしボルドーもこのクラスになると、ブルゴーニュ好きのわたしにも
さすがだなあと感じさせる。
すでに飲み頃。想像したよりタンニンもこなれており、これまた柔らかく上品である。

1992を4000円少々で購入して飲んでいたことを覚えているが、価格に関しては
隔世の感あり。
しかし、この日の六覚燈は力が入っていたなあ・・


アルベール・ビショ(クロ・フランタン) エシェゾー 1998
インポーター メルシャン

当たり前だが、わたしにとってはこのワインがこの日のベストである。
これまたヴィンテージから想像するより優しく柔らかに熟しており、ほとんど幸せワインの
領域にあった。

まったく好みの違う客に対する、この日の4本のワインの選び方、順番はどうだろう。
ワインの状態は万全で、共通しているのはすでに飲み頃に至っており、
たおやかであること。
多くのワインバーやホテルでは、もっと若いヴィンテージが並んでいるのだが、
この店の懐の深さには恐れ入る。

つらつら書いていたら、紅白歌合戦もトリの五木ひろしが歌い始めた。
あと半時間で今年もおしまいとなる。

ことしはooisotaroさんやwakoさんやせんむさんやdigiengelさんやぶるたまさんや
nackさんやKONAさんともお会いできたし、georgesさんともお近づきになり、
ワイン生活としては充実した1年であった。
来年には、緑家さんといっしょに飲める日をぜひ持ちたいと思う。

ウサギも満5歳を迎えた。
佳きワイン佳き出会いを期待して、良い年がやって来ますように。