お洒落なのはエチケットだけ、じゃない・・セシル・トランブレイ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


セシル・トランブレイ ヴォーヌ・ロマネ 2001
購入日    2006年9月
開栓日    2007年1月30日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター ヴィノラム
購入価格   6200円

この日本では、凡指揮者でも老人になって元気で指揮をしていると、巨匠扱いされる
傾向があるようだが、老指揮者が必ずしも巨匠ではないのは明白である。
70年代後半の晩年のカール・ベームに熱狂されていた方々、今でもベームの晩年の録音を
愛聴しておられるのでしょうか・・・

それはともかく、ワインでも同じように、造り手が爺さんだろうが若い女性だろうが
本質的なことではなかろうし、まして造り手が美形かどうかなど、わたしは何の興味もない。

この造り手のワインは初めてだが、パスカル・ロブレ-モノの奥さんで、昨年で29歳のはずである。
ということは、このヴィンテージの年には24歳だったことになる。

わたしも名前くらいは知っていたが、ooisotaroさんが昨年の9月に渋谷東急本店の
ワインフェアでヴォーヌ・ロマネの2004を試飲され、レポートされていたので、
改めて注目することとなった。
その時点でまだ今回の2001がAlcoholic Armadilloに少数残っていたので、
1本だけ購入したものである。

開栓すぐは、平凡な印象でしかない。
痩せた体躯は2001の特徴かな、と思いながら、まあ悪くはないなと思って飲み進める。
はい、30分、めくるめく変貌が待っておりました。
グラスの奥底からモワワワワァ~と媚薬のような香り@ooisotaroが立ちのぼる。
おお~、これぞヴォーヌ・ロマネ。

ピュアで繊細でありながら、これほどテロワールをはっきりと主張する村名ヴォーヌ・ロマネは
珍しいのではないか、とさえ思った。
ブルゴーニュのシロウト(わたしもだが)に飲ませて、これがヴォーヌ・ロマネだよ、と言えば
誰だってテロワールの特徴をはっきり脳に刻み込むに違いない。

こんなワインは、翌日にも絶対にへばっていない、ということは容易に予測できた。
きちんと造られていて、今後いつ飲んでも飲み頃が続くだろう。
残念ながら、わたしの手元には2001はもう1本も残っていないのだが。

20代の若手で、何の実績もない新進の造り手のワインがなぜこんなに高いのか、
という疑問は残る。
この1本の印象からは、納得がいく価格と言えるのだが、すでに価格に織り込み済みなのか?
同じワインの2004(VVになっている)と、1級もののレ・フスロットも1本ずつ購入したが、
もっと買うべきだったか。

しかし、すでにAlcoholic Armadilloではシャペル・シャンベルタン以外は売り切れているし、
ネットでも品薄で、ほとんど入手困難になっている。

いいブルゴーニュは、需給関係が完全に崩れていると、そこここで言われている。
このブログも、書き手が望む望まないにかかわらず、かなりのアクセス数がある。
在庫が十分な良いワインを見つけて褒めるなら、売り手も買い手もハッピーだが、
取り合いになっているブルゴーニュを、どこまで正直にここで記載すべきか、
躊躇せざるを得ない今日この頃である。

次のヴィンテージから、どっさり入荷しませんか、いのまたせんむ。

(追記)
カール・ベームは60年代までは決して凡指揮者ではなく、名指揮者だったと思うが、
巨匠扱いされた晩年では、かつての精彩を失ってしまっていたと感じる。

堀昌代著「リアルワインガイド ブルゴーニュ」によると、セシル・トランブレイが
ドメーヌを引き継いだのは2003年からとなっている。
とすると、この2001はどういう成り立ちなのかよく分からない。
インポーターシールには「ドメーヌ ロブレ-モノ  ヴォーヌ・ロマネ セシル・トランブレイ」
となっている。
表のエチケットにはロブレ-モノの名前はない。