フランソワ・グリナン ラ・ヴィーニュ・デ・ペロン レゼルミテュール:Les Ermitures
VDTフランセーズ(ビュジェ) 2004
購入日 2006年10月
開栓日 2006年10月29日
購入先 Alcoholic Armadillo
インポーター ラシーヌ
購入価格 2300円
(昨晩書いた文章がおもろないので、加筆訂正しました)
なんとも健気なワインと書かれたooisotaroさんと、イチゴとフランボワーズの香りと書かれた
Alcoholic Armadilloさんに遅れること丸1年。
伸びてうれし泣き、枯れて涙の、遅開けオヤジのワインレポートである。
どうも達人たちのあとをコケながら追いかけるのが、わたしの本分らしい。
世間では「残り物には福がある」と言うが、ことワインに関しては「骨折り損のくたびれ遅開け」
というのが、どうも正しいようである。
今ではこのワインの2005も売っているから、そちらの方が良かったかも知れないが、
ピノ・ノワールのレゼタブは2005で、ガメイは2004の方にした。
すでに微発泡はなく、やはり1年前に体験されたooisotaroさんと
いのまたせんむのコメントとはかなり違う印象のワインだ。
華やかで甘い果実の香りはせず、カシスと干し草を同時に嗅いだときの香りがする。
色も少しオレンジがかった薄いルビー色であり、この1年という時間は、
健気だったワインに少なからぬ変化をもたらしたようだ。
アルコールもほとんど感じさせず、軽やかだが例によって旨味があり、後味も長い。
そしてその後味から、まぎれもなくガメイであると分かるのだが、液体が口腔から去るまでは、
梅昆布のような旨味のある酸味が、味覚と嗅覚を支配する。
Alcoholic Armadilloさんの新しいワインをいろいろ体験して、早めに開けた方が魅力的な
ワインが世の中にはある、ということを再認識しているが、このワインなどその典型かも知れない。
今の姿は、ピエール・ボージェのレ・トゥルディのように、旨味が表に出ていると思う。
1年前に飲みたかったな、という気がしないでもないが、これはこれで悪くない。
グラスに注いで時間が経つと、さらに酸味が増していくが、この移ろいざまをみると、
今なら開栓後あまり時間が経たない方が美味しいのではないか。
この分なら、当日がピークで、エア抜きした翌日はあまり期待できないかも知れない。
酸っぱいワインがキライな家内には、わたしが開栓するワインは総じて不評だ。
しかし、家内の師匠のUTAさんは、どうもわたしと同じような酸性ワイン愛好家の
ようなのが面白い。
近いうちに、このワインも1本プレゼントしようかと思っている。
今日の日曜日は、地元医師会のミニバスツアーで、和菓子で有名な叶匠壽庵の寿長生の郷に
日帰りで出かけた。
昼は豪勢な懐石料理だったが、この吸い物系の旨味は和食には合うのではないだろうか。
そこにこのワインを持ち込めたら良かったなあ、と真剣に思った。