仕事中だが寒いせいかヒマなので更新している。
こんな日が続くと、ワインを買うどころか、パンを買うお金すらなくなってしまうが、
明日のことは考えないでおこう。
さて、昨日の大統領のワインの記事について、31sofvaさんからずいぶん深読みしたコメントを
いただいた。
>この記事をみて率直に思ったことは
>「底の見えない怖さ・・・」ですかね、ポール・ボキューズの・・・
>プイィ・フュイッセ94はさておき、1996年の時点で、91のGDのクリュ・ボジョレーは、
>とても惹かれるワインですわ、個人的には・・・
>恐らくクリュ・ボジョレーにしても早飲みされるだろうそのワインを、ベストな飲み頃まで自セラーで
>寝かしたのではないか?というポキューズの底の深さを感じるんすわ。
名探偵コナンというアニメの劇場版で、ワインをテーマにしたストーリーのものがあった。
その中で、若い女優がワイン評論家にワインを飲ませて、銘柄を当てさせるシーンがある。
一口飲んだワイン評論家は
「う~ん、これはブルゴーニュのヴォーヌ村の・・・」とかなんとか答える。
すると飲ませた女の子がカカカと笑って、
「まさか、ケチな私がそんな高いワインを持ってくるわけないでしょ。
これはムーラン・ナ・ヴァンよ」
と種明かしをして、ワイン評論家の実力のなさを暴いてしまう、という話だった。
熟成したムーラン・ナ・ヴァンは、ボジョレーの中で最もブルゴーニュに似ると言われる。
このストーリーも、それを知った人が考えたのだろう。
わたしも一時期、4~5年もののムーラン・ナ・ヴァンをいくつか飲んで、
そのことを確認したことがある。
ヴェリタスのHPで辻さんも書いていられるが、フランスワインを米国に売り込むには、
大統領の午餐会はまたとない機会だ。
ならば稀少なドメーヌものを開けるより、商売人ジョルジュ・デュブッフの上級ワインを開ける方が、
目的にかなっている。
ブルゴーニュに似た熟成を来したムーラン・ナ・ヴァンこそ、その役にはうってつけだったろう。
そういう商売もからめた宴会だったかも知れない。
大統領の午餐会で使われたワイン、といえば箔も付くだろうし。
そう考えると、31sofvaさんの
>唯一無二に機会を彼に与えた店側?のウイットと、熟成したクリュ・ボジョレーの
>「けっこう、イケるっしょクリントンちゃん・・・」という、彼に対してワインの深さと広がりを
>啓蒙させてるような気がするんす・・・
という意見も、納得がいくような気もする。
やっぱりワインは深い。