久しぶりの投稿です。
8月9月は、XでJGPシリーズやチャレンジャーシリーズの結果をチェック、YouTubeでポツポツ日本人選手の演技をメインに見ていましたが、あまりスケート界隈にはいませんでした。
9月の木下グループ杯とオリンピック選考会は見るつもりでしたが、木下グループ杯のチケット入手できず(大人気で驚き)、オリンピック選考会の配信はスカパーのチャンネルでないと見えないということで、断念(仕事も入れないで空けていたのに、当日日本からはYouTubeチャンネル見れないと知り、唖然)。
オリンピックは、
ペア2枠目獲得はおめでたい一方で、アイスダンスの出場枠が取れなかったのは残念でした。その後、あの紀平梨花選手が、西山真瑚選手とアイスダンスチーム結成で、西日本選手権でのアイスダンス予選会にもエントリーというニュースも、「おおおっ」と見ていました。高橋大輔さんの挑戦の影響が大きいと思いますが、いろいろな選手がアイスダンスに挑戦して、日本のアイスダンスが盛り上がって、次のオリンピックでは2組出場なんてなればいいですよーね。
9月はちょっと肩透かしを喰らう場面もありましたが、やっとグランプリシリーズが開始したので、いつものようにテレ朝動画の全試合配信チケットゲット、NHK杯とグランプリファイナルのチケットも入手、観戦手配はしました。
第1戦はフランス大会ということで、久しぶりにスケートを見ながらゆったり過ごす時間の良さを再認識しました。
8月9月はあまり試合を見ていなかったので、ほとんどの選手のプログラムは初めて見るものでした。フランス大会では、アイスダンスと男子が出場選手(組)がほぼ全員知っている馴染みの選手で、いい演技も多かったという印象です。
また、フランス大会というといつも奇抜な演出があり、この大会で始められたことが国際試合のスタンダードになることも多いので、今回も楽しみにしていました。フランス大会独特のキスクラが高い位置で、コンテンポラリーアートっぽいデコレーションはいつも通りではありました。直前練習の選手のコールの仕方もフランス初のリンクサイドから選手を呼ぶやり方で、特に新しい演出なし。フランス大会に限っては表彰式も見たのですが、メダルが変わった形で後でXに投稿された写真を拡大してみたら、フランス大会のロゴのニワトリの形をしていました。ニワトリと言うと、私も愛用しているスポーツブランド、ルコックスポルティフのロゴを思い浮かべますが、フランスではスポーツというとニワトリがイメージキャラクターとして使われることが伝統的らしく、この大会は別にルコックスポルティフが主催しているわけでも、スポンサーになっているわけでもないようです(スポンサーには木下グループをはじめ日本企業が沢山名を連ねていて、表彰式では、TOKIOインカラミのCEOが出てきてちょっとびっくり)。
前振り長くなりましたが、試合の結果の感想、印象に残った演技などです。
女子
中井亜美選手が、坂本花織選手を抑えて優勝! 日本勢、表彰台独占!!
中井亜美選手が、今シーズンからシニア転向で、当然オリンピック出場を目指していると思われますが、
選手層の分厚い、世界女王や国際大会優勝者やメダリストが沢山いて、スター揃いの日本女子、
昨年の全日本での成績から考えても、「厳しそう」と思っていたのは私だけではないはず。
しかし、ここにきて、「オリンピック出場アリかも??」と思える成績をカツーンと叩き出してきましたよ。
中井選手は、3シーズン前ジュニアで活躍して、全日本4位、世界ジュニア3位に入ったあとは、怪我で成績出せなくなった時期があり、その後怪我は治って試合に出るようになっても、なぜか、個人的な感想ですが、ジャンプを決めて、3シーズン前ジュニアで活躍していた時よりとても丁寧に音楽を表現するような演技に変わってきたにも関わらず、あまり評価されないという印象を持っていました。試合の度に「なんでこんなに点数低いんだろう」と思っていました。本人はいつも前向きに試合後のインタビューに応える様子が見れているのには安心していましたが。
それが、ここに来て、やっと認められたのかなと思いました。トリプルアクセルのコンビネーションはまだ封印しているようですが、ぜひファイナルに出場できるよう頑張ってほしいです。
今回の試合でいえば、ショートでトリプルアクセルを決めたのと、フリーの後半に入れているルッツ、ダブルアクセル、ダブルアクセルのシーケンスが大きな得点源となって、この優勝に結びついたかなと思いました。
坂本花織選手のプログラムは今シーズン初めて見ました。今シーズンを現役最後と表明していて、最後のプログラムはどんな選曲をと興味を持ってみました。ショートはオペラ、フリーはシャンソンで、ベテランらしい演技と思う一方、特にショートで得意のジャンプが、
と思える場面も。どちらもしっとりした音楽なので、個人的には最後に元気爆発かおちゃんプログラムを見たかったような気もしましたが、、単なる勝手な個人的感想です。
スケート界隈名物記者、ジャッキー・ウォン氏のプレビューによると今シーズン注目株の住吉りをん選手。彼女は摩訶不思議系音楽を選ぶ傾向があり、今シーズンもその路線ですが、音楽がはっきりしない印象なので、彼女の演技もどこかはっきりしない印象を今まで持っていましたが、今シーズンの彼女の動きは違うなと思いました。動きがはっきり、輪郭が見える演技をしていると思いました。激戦日本女子オリンピック代表争いにどう関わってくるか楽しみですね。
今シーズン、動きが変わったといえば、今大会はミスもあって成績振るいませんでしたが、世界選手権メダリストの
キム・チェヨン。この選手は淡々とジャンプを決めるという印象でしたが、今大会の彼女の演技からは、何かメッセージが伝わってきました。次の試合で演技を見るのが楽しみになってきました。
会場では、
ロリーヌ・シルトが強豪韓国勢を上回って5位に入ったことで、大盛り上がり。彼女のショートの曲が「天国への階段」。レッド・ツェッペリンの名曲でいろいろなスケーターが滑っていて、ツェッペリン信者の私にはあまり嬉しくない編曲バージョン(昌磨くんの2018/2019シーズンをはじめ)やら振付やら演技も多々ある中、彼女の演技は違和感なく見ることができました。また、ツェッペリンのオリジナルバージョンではないですが、原曲を損なわないながら、微妙なアレンジが効いているバージョンを使っているのも、私的にはよかったです。
ペア
りくりゅうこと、三浦&木原組が盤石の演技で優勝。ここ2シーズンはシーズン前半では怪我や体調不良や調子があまり上がらないことが多かった二人ですが、今シーズンは割といいスタートを切れているのを見て取れるのは嬉しい限りです。多難の昨シーズンを世界選手権優勝で終えられたのが大きな自信となり、今シーズンの好調につながっているのでしょうか?
とはいえ、この二人には私的にはちょっと気になるところが。木下杯での演技も見たのですが、フリーの演技後木原選手が疲労困憊ですぐに立ち上がれない場面が。今大会でもフリーの後は随分としんどそうでした。年齢的なものがあるのか、何か体調に問題があるのか、わからないですが。
また、今シーズン二人の演技を見て、まず気づいたのが、彼らのトレードマークと言えるリフトがなくなっていること。木原選手が膝付きの状態で、女性を持ち上げ、また膝付きで降ろすリフトです。とてもタフなリフトだと思うのですが、かつてG&Gもこのようなリフトをやっていて、「マイ・セルゲイ」に男性にとても負担のかかるリフトという記述があったと記憶しています。
30代半ばに達しようという木原選手、体力的に難しくなっているのか???
長いオリンピックシーズン、ちょっと心配です。
その一方で、、
木原選手より、9歳年上の
ステラート=デュデク&デシャン組の女性ステラートさん。
フリーでは、ツイストリフトがシングルになる珍しいミスが。リフトの後、変わらず笑顔で演技を続けていたので、怪我などの体調問題で意図的だったのかと思いきや、演技後は厳しい表情で、キスクラでは、dissapointedという言葉も出て、悔しそうな表情だったのですが、
フリーの後の苦しそうな木原選手に比べると、体力的には余裕綽々な様子で、シニアデビューした若手選手のようなフレッシュさがあって、逆に「すごいな〜」と感心してしまいました。
十八番のフォワード・アウトサイド・デススパイラルも見事。最近、このデススパイラルをやるペアが増えていますが、大柄なステラートさんがやるFODSが、一番見応えがあって、毎回楽しみです。
アイスダンス
今回一番楽しみにしていたのが、アイスダンスでした。
なんといっても、新カップル、
ボードリー&シゼロン組の演技に大注目。
フレンチ・マスターズでの演技をYouYubeで見ましたが、画質のあまり良くない映像でもありましたので、今回の演技に注目していました。
リズムダンスでは、課題である90年代の楽曲というのが当初選んでいた曲が当てはまらないことが発覚して、急遽マドンナのVogueに変えたという事情があってか、リズムダンスでは、ちょっとぎこちないとことも見受けられました。
一方、フリーダンスでは、コンテンポラリーアートをイメージさせるような作品で、なんと8点差をひっくり返して逆転優勝。
この結果にネットではけんけんがくがく、「やらせ」陰謀論まで飛び出す始末。
その一方で、優勝候補と思われた
ギニャール&ファッブリ組が、目立ったミスがあったわけでもないのに得点が伸びずにまさかの5位。ショックを受けた彼らは、ミックスゾーンに現れず、試合後のコメントをしなかったとか。
これにも、ネットで、モントリオールチームのアイスダンス界隈支配説でけんけんがくがく。
ギニャール&ファッブリ組のリズムダンスが、二人でなんだか楽しそうに踊っているけれど、「見せるダンス」とは違うような印象を持ちました。一方フリーダンスでは、昨シーズンの奇抜なロボット・プログラムからすると、まとも路線ですが、彼らが駆け出しの頃のミューズのプログラムを思い出させるような綺麗なプログラム、演技ではあったものの、昨今、とにかくパンチの効いた振り付けや演技が多い中、地味な印象もありました。
アイスダンスのスケーティング技術を知るわけではない、一般鑑賞者からすると、得点のことはよくわかりませんが、少なくとも、彼らが優勝する方が奇妙に感じたかなと思いました。
一方、新カップル、ボードリー&シゼロン組ですが、フレンチマスターで見た時にも思ったことではありますが、なんとなく「パパシゼ・パート2」という印象で、不思議にボードリーがパパダキスの顔に見えてきたりもしました。
カップルが解散して、新しいカップルができた時の楽しみは、スケーターの新たな一面が現れてくることですが、今回の彼らについては、女性のボードリーが一方的にシゼロンに飲み込まれているのではないかと思いつつも、振るわなかったリズムダンスで、シゼロンの表情から茶目っ気のようなものが見て取れて、それはパパシゼ時代にはなかったので、こういう新しい面がこれから色々出てくると、鑑賞者的にも楽しみなカップルになるかなと思いました。
アイスダンスでの今回のヒットの1つは、
リード&アンブルレヴィチウス組。これまであまり演技で印象に残ったことがない組ですが、まずリズムダンスが、曲とスケートが一体化していました。スケートが音楽そのものになっているという演技を見ることができました。シゼロン達より上の得点で納得でした。1位でもよかったのではと思うほどでした。
一方、リズムダンスで1位となった
フィアー&ギブソン組ですが、ここ数シーズンのリズムダンスの課題、70年代とか80年代とか90年代の音楽というのは、彼らに有利に働いているように思います。ディスコのようなイケイケ音楽で力を存分に発揮できる彼らなので、今回もリズムダンスでは持ち前のパワーで圧倒したという感じがします。
その一方で、フリーはスコットランドの民族衣装っぽい出立で、自国文化を全面に出したプログラムを作ってきましたが、なんとなく今ひとつな感じはしました。かつて、
アイスダンスチーム、カー姉弟(ケアーとも言われるが、彼らが現役の頃はテレビ放送でカーと呼ばれていました)がキルトを着て滑っていたのに比べると、本場のスコットランドらしさとか、イギリスのアイスダンスチームの演技を見ているという感じがしませんでした。
男子
男子は、予想通り、
マリニンの圧勝。昨年あたりから、隠れマリニンファンの私は(別に隠す必要もないが)、終始ニコニコ、「かわいい〜
」を連発しながら、見ていました。
今シーズンのプログラム、ショートは中東とか北アフリカの砂漠をイメージさせるような内容で、彼なりの表現が可愛く素敵でした。そして、なんといってもフリー。モノローグと弦楽器アンサンブルが対話するように奏でる音源を使っていて、彼にピッタリと思いました。オリンピックに向けていい選曲してきたなと思いましたよ。
正直、マリニンのジャンプのビッグファンではないです。ジャンプだったら、日本の鍵山選手とか、中田選手とか、シャイドロフの方が、ずっと見応えあるというのが正直な感想。かつてのオリンピックチャンピオンのパットン氏が、「最近の選手は、雑巾を絞ったようなジャンプばかりしやがって」と不平を言っているのを聞いたことがありますが、マリニン君のジャンプはまさしくそれかなと思います。なんか見ていて「ワオー!」て思わないんですよね。
私が彼の気に入っているところは、ジャンプ以外のアクロバティックな動きですね。それから音楽の表現の仕方も好きです。今時の若者風っていう感じだし、また、世界チャンピオンになっても守りに入らず、挑戦し続ける姿勢も好きですね〜。
男子は出場選手全員、ジュニアの頃から知っているお馴染みの選手ばかりで全滑走堪能しました。その中でも印象に残っていると言えば、
リュク・エコノミデ、いつまでも若手と思っていたらもう26歳になるのですね。元フランスチャンピオンのアモディオ氏と二人三脚で、個性的なプログラムを作っていますが、今シーズンはショートもフリーも作品としては、素敵なものを作ってきたと思いました。特にフリーは物語を見ているような印象がありました。
アンドリュー・トルガシェフ、昨シーズンは、ショートではバラードを情感豊かに滑ってくれたと思ったら、フリーはフィギュアスケートの懐メロと言いたくなる「シェヘラザード」というギャップに、「え
」でしたが、今シーズンは、フリーでも見せてくれました。なんとなく、今シーズンはジャンプ優先、表現はステップシーケンスとコレオシーケンスに集中という感がなくもなかったですが、それでも、フリーのコレオシーケンスは、出場選手中一番印象に残る素晴らしいものでした。
フランソワ・ピト、ジュニアで個性的ないかにもフランスらしいプログラムを作って滑る選手という印象がありましたが、ジャンプのミスが多くて、成績は今ひとつというシーズンが続いていたところ、今大会ではショートもフリーもミスがあまりなく、まとめてきて、本人も笑顔で嬉しい大会となりました。フリーは、ビートルズメドレーですが、選曲や編集にエスプリが効いているような、ビートルズはあまり好きでない私でも、「ビートルズ?えー?いい、お腹いっぱい」とはならずに演技を楽しむことができました。
ミハイル・セレフコ、衣装と音楽でいつも注目しているエストニアの選手ですが、今回のセレフコ弟の特にショートの衣装が気に入りました。まず色使いが奇抜で、ホラー風ですが似合っている。音楽も奇抜で![]()
衣装といえば、
三浦佳生選手のフリーの衣装には驚き!その後の大失速にも。でも大失敗の後には大成功が待っているというのが、これまでのそういうスケーターをたくさん見ていますので、逆に楽しみです。個人的にはここ2シーズン、怪我の話が多いので、しっかり治してから試合に出てきて欲しいと思うし、怪我が多いというのはコーチとか周りのスタッフとか十分ケアできる体制、体のケアのコーチング含めて、なんとかならないのかしらと個人的に思います(あの羽生選手もカナダに行く前までは、体のケアが良くなくて、カナダに行って改善したということであるし)。
壷井達也選手は、今シーズンからトウループ投入? フリーは、前に滑ったアダム選手に飲み込まれてしまった感じも。これからですかね。。。。
さて、いきなり第1回大会から波乱含みのグランプリシリーズ、
来週は、中国大会。
今シーズンのなんと言っても注目が、
スイ&ハン組の電撃復帰。男性のはハンは北京オリンピックの後引退を表明し、女性のスイは別のパートナーとトライアウトしたという話も聞きましたが、結局二人で復活ということで。
どのような演技を見せるのか、全く謎ですが、、すごく楽しみです。
ペアは、他に
メテルキナ&ベルラヴァ組と
コンティ&マッキ組も出るので楽しみです。ウズベキスタンの組が欠場になったのは、残念ではありますが。。
そして、ボードリー&シゼロン組の演技を見ていた世界チャンピオンの
チョック&ベイツ組の登場(同門なので、練習で見ているとは思いますが)。彼らの演技とスコアがどう出るかも楽しみですね。
また、女子では、
アリッサ・リュウとアンバー・グレンの対決も楽しみですね。そこに、4回転をマスターしたらしいという情報が入っている、
渡辺倫果選手がどう絡むのか???
