さて、怒涛のロシアスケートの後、ロンバルディア杯を後追いで見ました。
ロンバルディア杯は例年日本選手の参加がありましたが、今シーズンはコロナの影響でなし。ロシアもテストスケートと日程が被りなしで、ちょっと寂しいエントリーでしたが、
それでも男子とアイスダンスは知っている選手の参加が多く、特にアイスダンスはテストスケートより楽しめました。
それぞれ、個人的印象に残った演技を種目別に取り上げます。
男子
まずショートは1-7位くらいまでの選手を滑走順を調べながら早億知りてみて、フリーは最終グループとその前のグループを少し見ました。
ショートで印象に残ったといえば、ある意味驚きの1位となったアゼルバイジャンのウラジミール・リトヴィンツェフです。
トリプルアクセルは見ていて怖くなるような危なっかしいジャンプでしたが、
スピン、ステップで見せてくれて、なによりエンターテイメントしていたし、とってもカワイイ演技でした。顔のアップを見たら顔はイケメンでもなんでもなかったのですが、所作に愛らしさのある選手かなと思いました。
フリーは失速してメダルを逃しましたが、フリーも愛らしさ、エンターテインメント性では魅せてくれました。
ショートのプログラム的に一番好みだったのは、数シーズン前から目をつけているアレクサンダー・セルビコで、振付がブレイクダンス風でチャーミングでした。
フリーでは、ダニエル・グラスールが4回転3本着氷して、逆転で優勝しました。フリーの演技は今までの彼の演技にはなかった感情的盛り上がりが感じられるものでした。ただ、個人的にはショートの方が彼らしい個性のあるプログラムで好みではありました。
フリー2位、総合3位となったモリシ・クヴィテラシヴィリは、フランク・シナトラメドレーで、シナトラの歌声の魅力を良く表現していたと思います。マイナー意見かもしれませんが、ここ数シーズンずっと彼の演技を見ていて、とても音楽表現のセンスがいい選手だなとずっと思っていて、演技を見るのをいつも楽しみにしています。
フリー3位、総合2位となったアダム・シャオ・ヒム・ファは、ショートもフリーも特に印象残ることはなかったですが、フリーのステップシーケンスだけは火の玉のようなすごいパワーを感じて、この日最も印象に残るステップシーケンスでした。思えば、ジュニアの頃にスゴイステップシーケンスでとても印象に残った選手でした。
個人的にフリーで一番印象に残ったのは、成績は7位を振るいませんでしたが、アレクサンダー・セルビコです。ショパン風のピアノ曲を使っていて(その後ネットで調べましたが曲名不明、ショパンではないと思いますが、スクリャービンか現代の作曲家かなと想像)、見ていて「愛おしくなる」演技でした。
チャーミング王子賞をあげたくなる、ショートもフリーも素敵な演技でした。
彼は、フィンランディア杯にもエントリーしているらしく、そこで演技が見れることを今から楽しみにしたいです。GPシリーズのアサインメントはないのが、ひたすら残念です。
女子
女子は、アリッサ・リュウ以外、めぼしい選手はおらず、ショートはリュウと他数人、フリーは最終グループの後半3選手だけ見ました。
優勝したアリッサ・リュウは、ショートもフリーもファインな演技だったと思います。が特別印象に残るというものはなかったです。彼女はいつも笑顔で愛らしくて、演技も流れがあってスムーズという印象ではありますが、いつも音楽とのコネクションがあまりないという印象があり(何の曲を滑っても演技が同じというような)、今回も同じでした。
一方、今回初めて演技を見た(多分)エカテリーナ・クラコワは、チャップリンのメドレーを水色の衣装で、とても可愛らしい、チャップリンの曲の可愛らしさが良く表現されていたように思いました。
ペア
ペアもめぼしい組は出場しておらず、優勝したデラ・モニカ&グアリーゼ組と他に何組か見ましたが、特に印象に残ろる演技はなかったでした。
デラ・モニカ&グアリーゼ組は、エキシビションでボクシングを演じたり、男性ペアのようなプログラムを滑る印象が強いですが、昨シーズンあたりからはソフトで、女性が女性らしく演じるプログラムを滑っていて、今回もショートもフリーもその路線でした。個人的にはフリーよりショートの方が洗練された「大人の演技」という印象で好みでした。
アイスダンス
ポツポツと知っている組が出場して、リズムダンスは上位8組、フリーダンスは最終グループを見ました。
ロシアテストスケートより何倍も楽しめる演技がありよかったです。
それでも、リズムダンスは有力選手の演技は私的にはイマイチ、ピンとこず、
印象に残ったのは、6位のロパレワ&ブリザー組と8位のの組(読み方不確か、レンズバーグ&ステファン組?)でした。
ロパレワ&ブリザー組のプログラムは、メカニックと表現したくなる、多分リズム的にはヒップホップになるのかなと思いますが、個性的でした。
の組はレゲエの曲を使っていると思いますが、二人の動きのユニゾンが際立っていて、演技も曲の雰囲気に合っていたと思います。
フリーでは、優勝したギニャール&ファッブリ組は、音楽とプログラムは私的にはでしたが、ツィーズルやリフト、スピンといった要素とか、二人のユニゾンとか、さすがというものがあり、演技の後半には吸い込まれるような、何かとてもいいものを見たという気分になりました。
特にツィーズルが、「音楽を表現する」ツィーズルを初めて見たような気がします。ツィーズルって早ければいいってものでないと思うのは私だけでしょうか?
フリーで他に印象に残ったといえば、ウルタド&ヒャリアヴィン組で、曲はレッド・ツェッペリンのSince I've been loving youと天国への階段を使っていましたが、ブルースのリズムがスケーティング一つ一つから感じられる私好みの演技でした。
先週JGPでツェッペリンのデビューアルバムの曲を使っている組がいて、曲にものすごいパワーがあって、演技が音楽の伴奏かのように見えて、あまりパワーのある音楽を選ぶとスケートとか踊りは脇役になってしまうなあと思っていましたが、
ウルタドたちは、ツェッペリンの「ステロイド増強ブルース」と酷評されるほどのヘビーなリズムを負けないパワーで滑っていたと思います。
そして、もう一つフリーで印象に残ったのは、今回初めて演技を見たの組で(読み方不明TASCHLEROVA&TASCHLER組)、曲はピアソラのタンゴメドレーでしたが、
鋭いタンゴのリズムに合わせてディープエッジを切り替えすのが、陸上ダンスにはないアイスダンス独特の魅力を伝えてくれていたかなと思いました。
さて、今週末はUSインターナショナル、オータム・クラシック、JGPロシア大会とトリプルヘッダーで、どれをどう見るかプランニング中です。オータム・クラシックにはペアの三浦&木原組が出場するので楽しみです。