硝子の中の蒼穹

硝子の中の蒼穹

硝子玉の中にあるのは青い空。心の中にいつも希望があるように。

月の虹


白くおぼろに架かりおり


影降り来るを


目を凝らし視る

 

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月の虹(ムーンボウ)は月の明るい夜に、お昼の虹と同じように空にかかるのですが、月の光は太陽の光みたいに明るくないので色が薄くて白っぽく見えるのだそう。白虹とも言うそうです。


Wikiには「月虹がよく観測されるハワイ諸島のマウイ島では、これを見た者には「幸せが訪れる」「先祖の霊が橋を渡り祝福を与えに訪れる」と言われている」と書いてあります。

 

幸せはともかく、息子が夜の虹を降りて会いに来てくれるといいなあと思いました。

 

とても珍しい現象らしいですが、いつか見てみたいです。

風わたる

 

皐月の蒼き天蓋は

 

内に光を

 

孕みつつ病む

 

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3年前の今頃、まだこの世界にいた息子には

5月の青い空はどんな風に見えていたんだろうと思うと

胸が詰まります。

 

こんなに美しい季節なのに、もう色も見えなかったのか。

辛かったのか悲しかったのか、それとももう何も思うことも無かったのか。

 

離れていることを言い訳に、見えないものは無いものと逃げていた挙句

息子を一人で死なせてしまった私は、ずっと同じところをぐるぐる回り続けています

透き通る

 風薫るとか 

 

かの月に 

あえかな風も 

永遠(とわ)に吹くまじ

 

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この美しい季節の終わりに、息子は30歳で空に還りました。

 

今度の25日で丸3年になります。

 

時薬とはいうけれど、なかなか効いてはくれません。

荒れた唇の皮を剝くように、心に張りかけた薄皮を自ら爪を立てて剥がしてしまう毎日です。

 

当初のように脈動とともに血が噴き出すような悲しみではなくなりました。

慟哭することも減りました。

 

でもじわじわといつも血が滲んでいる感じです。

すぐ心が震えて涙が出ます。

 

でも、これはただの加齢かもしれませんね。

 

その日が来ると思うだけで、動悸がします。

ずっとずっと5月は1年で一番美しい月だと思っていたのに、もうそう思えることは死ぬまでなくなりました。

 

残念でなりません。