硝子の中の蒼穹

硝子の中の蒼穹

硝子玉の中にあるのは青い空。心の中にいつも希望があるように。

透き通る

 風薫るとか 

 

かの月に 

あえかな風も 

永遠(とわ)に吹くまじ

 

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この美しい季節の終わりに、息子は30歳で空に還りました。

 

今度の25日で丸3年になります。

 

時薬とはいうけれど、なかなか効いてはくれません。

荒れた唇の皮を剝くように、心に張りかけた薄皮を自ら爪を立てて剥がしてしまう毎日です。

 

当初のように脈動とともに血が噴き出すような悲しみではなくなりました。

慟哭することも減りました。

 

でもじわじわといつも血が滲んでいる感じです。

すぐ心が震えて涙が出ます。

 

でも、これはただの加齢かもしれませんね。

 

その日が来ると思うだけで、動悸がします。

ずっとずっと5月は1年で一番美しい月だと思っていたのに、もうそう思えることは死ぬまでなくなりました。

 

残念でなりません。

通勤電車
ここ押せぎゅうぎゅう


ぎゅうと押されて
見上げれば蝶


ゆるやかに舞う


 

杉﨑恒夫さんの「パン屋のパンセ」がとても好きです。

 

あんな、やさしい無垢な歌が詠みたいなと思って、見よう見まねで詠んでみました。(すみません、本当に下手です💦)

 

「ここ押せぎゅうぎゅう」は花咲か爺さんでポチ(ポチでしたっけ?)が「ここ掘れわんわん」とおじいさんに宝物の場所を教える掛け声のオマージュです。

 

ギュウギュウ詰めの通勤電車でふと目を上げると、天井近くの空間で別世界のようにゆったりと蝶が待っていて、なんだか「お宝を見つけた」ような気分になったという…

 

そのお宝が息子だったらと思ってしまうのは、何につけても息子からのサインを探している母の妄想です。

 

ここ掘れわんわん

 

 

草の露は
ひかりを受けて
雲となり
風が促し
雨となり還る

 

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やはらかき
銀紗の雨を
見上げれば
幻めきて
一条のひかり

 

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