日本医科大学武蔵小杉病院精神科の岸泰宏医師は、せん妄と認知症との鑑別は非常に困難であると指摘しています。そしてその理由について以下のように述べています（一部改変）。
「教科書的なせん妄と認知症の鑑別を以下に示すが、実際には鑑別は困難である。特に、せん妄と認知症が併存した場合には、せん妄の診断はさらに困難となる。せん妄と認知症の併存は、２２％から８９％と高率であり（入院症例では高率であり、５０％以上）、症状もオーバーラップしているためにせん妄の発見が困難となる」（岸 泰宏：せん妄. 認知症の最新医療 Vol.1 112-118 2011）。
せん妄：
急性の発症
意識を障害
症状・重症度は変動性
可逆性
認知症：
ゆるやかな発症
記憶を障害
ゆっくり進行性
非可逆性
なおアルツハイマー病患者さんは、入院するとせん妄が起きやすい（８９％）ことが知られています。また、せん妄の経験のあるアルツハイマー病患者では、せん妄の経験がないアルツハイマー病患者に比して、認知症の進行がその後約３倍のスピードで進行してしまうという報告もありますので、可能な限り外来での診療を続け入院を避けることが懸命であると指摘されております（『どんとこい！認知症─重度認知症患者デイケアの挑戦』 日本精神神経科診療所協会認知症等高齢化対策委員会［編］ 社会福祉法人新樹会創造出版, 東京, 2011, pp180-181）。hermes バーキン サイズ
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