個展を終えて・1 | Grenier Lab

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屋根裏部屋工房からのお便り


個展が終わり、3週間経ちました。
やっと自分の中で様々な思いが落ち着いてきて、こうして綴る気持ちになれました。
何しろ今迄にない事をやったので、すぐには言葉に出来なかったのです。
今迄は普通に「有り難う」と口に出来ていたけど、今回は全く違う感情や思いがあったので…。
今日から少しずつ、振り返ってブログを書いていきたいと思います。


初日のペインティングライブ。
前日迄、何をどう描いたらいいのかとても悩んだ。
何せ個展のメインとなる絵だし、裏テーマもあったので、何点か候補はあったものの、絞り切れずに搬入日を迎えた。
前回のコラボ展で壁の大きさや、そこに立った時の恐怖感は味わっていたけれど、実際はそれ以上で、脚立に座っているのに膝がガクガクしてしまい、しょっぱなから「今日は気持ちで負けてしまっている」と自分に落胆してしまった。
幾ら13年のブランクがあったとはいえ、あんな自分の姿はもう見たくない。
1時間延長して計4時間のペインティングライブは散々なものだった。




帰宅してから何が駄目だったのか考えると、一番肝心な事が抜けていた。
それは「白と黒の配分」。
絵に対してどの位黒を配分するのか、がすっかり抜けていたんである。
基本中の基本を押さえておけば、気持ち的に負けていてもカバー出来た筈だった。
翌週、閉店後にお願いして再度壁に向かう。




この髪の黒の配分、分かるでしょうか?
これがなかった為に全てがバランスを失っていたのです。
描き終えると、全部が枠の中に、あるべきところに収まってくれて、完成。
あとは観たお客さんの解釈に任せた。
駄目なら駄目でいい、と思っていたらば、意外にも反響が大きく驚いた。

また絵を続けてみようかなと思えた。
13年前には受け入れられなかった画風が、まさかこの時代に明るみに出るなど、当時病みそうになりながら悩み苦しんでいた私は考えもしなかった。
あの筆を置いた瞬間の、とてつもない虚無感は未だ脳裏に焼き付いているけれど、こうして報われた事に安堵。

この壁画には裏テーマがある。
震災で亡くなった私の顧客5名への鎮魂…が込められています。
私の作品を愛してくれ、支えてくれた5名に感謝すると共に、離れていても忘れないよう、
「Toujours avec toi.」(いつも一緒に)
というタイトルを付けました。

母なる女が花を手向け、手を広げて魂を迎え入れる様を…。