ミュージカル『MITSUKO ~愛は国境を越えて~』観劇!(2011.6.23) | THEATRE GRENAT ~てあとる・ぐれな~

ミュージカル『MITSUKO ~愛は国境を越えて~』観劇!(2011.6.23)

ミュージカル『MITSUKO ~愛は国境を越えて~』観てきました@青山劇場。

もう、舞台上の何もかもがここまで超一流だと何も言うことがありませんね(笑)
ただただ、素敵だった、と。

演出と音楽が特に素晴らしくて。
なんというか、個人の力だけではなく、仕事を任せる上での互いの信頼関係なんてのもかなり大きいのだろうなと。

(そう言えば私も高校時代、後輩のミュージカルの為に作曲をしたことがあった)
(一曲ワルツを作っただけだけれど、なんか上手く使ってくれてたな(笑))

そんな中で私が一番目を引かれたのは、衣装。
1892年から始まって、激動の時代が光子を主人公に描かれているのだけれど。
衣装がちゃんと考証されていてその時代を表していて。
(デザインや予算優先で考証後回しの舞台も多々ある。)
しかもちゃんと美しくてスタイリッシュで、特に光子は何回衣装替えをしてるんだってほどで。
ドレス素敵だったなぁ。憧れますね。はい。

そしてお話の内容で、特に考えされられたことも。

一つは、自分の知らない新しい世界を見せてくれた伯爵に魅かれる光子の心情。
現代と違ってネットやTVの無い時代で、写真や絵画や小説でしか知らなかった外国の風景や文化を目の当たりにして、どんなに光子は幸せだっただろうかと。
そんな世界があると教えてくれて、その世界に連れ出してくれた伯爵を光子が深く深く愛した気持ちは痛いほどよく分かる。

演劇という世界の素晴らしさを教えてくれたあの人を私が大好きなように。
女は、新しい世界を見せてくれた人に惚れてしまうものなのです。
あ、でも男性も同じかな(笑)

もう一つは、晩年の光子が「無」だと言ったこと。
親に勘当されてまで異国に嫁いで、女手一つで7人の子供を育て上げたのに。
立派な教育を施して厳しく育てた結果、自分を疎んで子供達は離れていってしまった・・・。

でもその姿を観て、多くの観客は「無じゃない」と言うと思う。
子供は立派に世界の第一線で飛び回っていて。
特に次男のリヒャルトはEUの概念を提唱した人物で、今のヨーロッパ共同体の生みの親だったりすることを思うと光子は立派にその生涯を多くの人の為に働けていたのだから決して無ではないし、むしろこうして尊敬される偉大な人であったのだと。

それは事実だと思う。けれど。

一人の人間として。特に、女性として。母として。
やはり子供に愛されたかっただろうし、子供全員と幸せに暮らしたかっただろうし。
愛のぬくもりのない生活は、どんなに寂しかっただろうと思う。
「無」だと言いたくなるのも不思議ではない。
私自身、怖い。この先どうなるのかと、本当に怖い。
晩年とか死ぬときとか。幸せだと思っていられるのかな、と。

そんな風に、素敵な舞台を楽しみながらも
人生についていろいろ考えさせられたミュージカルでした。

やっぱ舞台はこうでなくちゃね。
目の前の素敵さと、そのまた向こうに馳せる思い。
特に私の場合、「人生」や「生きる」ということにとても興味があるらしい。
だから生命力を感じるお芝居や役者さんに魅かれるのだと思う。


(観た日:2011.6.23)