北京蝶々『あなたの部品 リライト』観劇♪
北京蝶々『あなたの部品 リライト』@ルデコ、観てきました。
私にとっては初・北京蝶々。しかし演出が時間堂の黒澤世莉さんということで、純粋に北京蝶々を観たのかと考えると、そうとは言えないかもしれません。確かに面白かったのですが、良くも悪くも世莉さん色が前面に現れすぎていて、どちらかというと時間堂をみているようで。穿った見方かもしれませんが、北京蝶々への挑戦状にも見えてしまったような、そんな印象でした。
常々時間堂の作風は「いい意味で"綺麗事"」を描いているなと思うのですが、今回の大塩哲史さん(北京蝶々)脚本は時間堂とは正反対といってもいいほど綺麗事では済まない内容。欠損した身体の一部を作る仕事を生業にする義肢装具士を主人公に、 障害者健常者の境目なしに「心の欠損」を描き出す物語でした。
酒巻誉洋さん演じる装具士自身が、自分の欠損した心を埋めるように様々な患者に身体の一部を作り与えてく物語なのですが、酒巻さんの繊細さ溢れる演技がとても素敵で。実は元女性で、性転換して男になったという話にも納得。
そして、金子久美さん演じる歌手にストーキングをしているという設定の、木村キリコさんの微妙な亜流っぷりが面白くて。この点、キャスティングが絶妙だなと。
ちなみに、義肢装具士で思い出すのは、今年の春に観た映画『カケラ』。満島ひかりちゃん演じる主人公の恋人(女性)が義肢装具士で。やはり心のカケラを埋めるように義肢を作る繊細な役だったのです。指や手を作る、という作業にエロティシズムを感じることには、ある意味少しの罪悪感を覚えてしまいます。
その罪悪感を肯定するかのように、『私の部品リライト』の登場人物は障害者や健常者という枠など全く関係なく赤裸々な素の自分を吐露してくれる。このように罪悪感を抱きながらも共感して心が躍ってしまう・・・そんな人間の側面に出会わせてくれる感覚、これが「北京蝶々」なのでしょうか?だとしたら。とても素敵な作風だな、と。
次回公演『パラリンピックレコード』は、柿喰う客の中屋敷法仁さんが演出をされるということで非常に楽しみではありますが。いつか、北京蝶々を大石さんの演出で観たいな、と。100%、北京蝶々の感性の舞台をみてみたいなとも思うのです。

