エムキチビート『エレクトリック:サーカス∴デイズ』感想っ♪ | THEATRE GRENAT ~てあとる・ぐれな~

エムキチビート『エレクトリック:サーカス∴デイズ』感想っ♪


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感想を書くのがすっかり遅くなってしまいましたがガーン

エムキチビート第八廻公演「エレクトリック:サーカス∴デイズ」@大塚萬劇場を観てきました音譜


ちなみにこの感想は、大幅に端折ったバージョン&ミーハー付 笑
無駄に長いオリジナル版(多分この倍の長さ 笑)は
アメンバー限定公開&mixiの日記に載せてますので、
そちらも併せて読んでいただけると嬉しいです音譜


ヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコ

エムキチビートの今回の本公演は、江嵜大兄さんによる外部脚本。
私にとって「エムキチビート=主宰・元吉庸泰さんの精神」であるのですが、
その元吉さんが演出に徹する中、
どのように劇団としての思想が舞台から打ち出されるのかを
少ない情報からあれこれと想像・期待しつつ、とても楽しみにしていました。


その期待は、予想を遥かに超えて。
芸術としての演劇と、エンターテイメントとしての演劇を
共に追求した舞台が目の前に在りました。
物語の楽しさのみならず、生の舞台で世界観の表現をすることの難しさにより
役者さん達の産みの苦しみ・・・
つまり、役者として舞台上で生きること、自分と向き合うこと、
そして何より「生きる」ことの厳しさを容易に想像させられる舞台となっていて、
その闘いを見守った観客として、この感動で今年を終わらせたいと思えるほど
幸せで満たされた舞台となったのでありました。


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(あらすじ)


売れない地下アイドル・ミカは、恋人マナブの病死に絶望をして自殺する。
一命を取り留めたミカは夢の中の世界でマナブの姿を見つけ、
その世界で生きたいと欲するようになる。
しかし夢の世界も彼女の思い通りにはならず、
救世主であったはずのミカは恐怖政治さながらに世界を動かすようになる。


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初日に観たときは、芸術として・エンターテイメントとしての脚本と
演出が創り出す 絢爛たる物語世界と魅せ方のテクニックに、
そして主演の小野川晶さんの圧倒的な演技力に驚嘆しました。


その小野川さんの夢の世界で繰り広げられる、
ミクロな世界でのマクロな世界観の表現。
驚いたのは、赤と黒を基調にしたセットの中、
セットの移動も椅子やテーブルなどの道具の配置も一切行わず、
暗転もそれが効果として必須である2回しか採用せずに
場面転換やエピソードの繋ぎを役者の演技や照明の演出で
非常に美しく行っていること。
特に、ミカの心理を具現化したピエロの演出が繊細で。
初日こそその動きの象徴的な部分は理解できずにいたものの、
観る回を重ねてその意味が徐々に繋がる過程が非常に心地よく感じられました。


そして、エンターテイメント性が前面に押し出されているものの、
根底にあるのはやはり芸術。
演劇の持つ力と可能性と。人間の持ちうる全てを以って、
神の領域に踏み込んで行こうとする気概を舞台から強く感じて。


人を楽しませることと、創造への挑戦をすることは両立出来ることを
エムキチビートが見事に証明してくれました。
今年は、挑戦しすぎて観客が楽しめない舞台を観たり
表面的に楽しいだけで深みのない舞台も観たりしたこともあり、
演劇に対して軽く絶望しかけたことがあった私にとって
現在のエムキチビートの姿は演劇の力だけでなく演劇に携わる人達を、
つまり、「人間」を信じるということをも示唆してくれる素敵なものでした。


そして今回の舞台の難しさ・・・。
この部分は、非常に長くなってしまいましたので簡単に書き直しますが、
今回ほど舞台の難しさを実感した公演は初めてでした。
それは、個々の役者さんがいいというだけでは舞台は完成しない、
ということの実感。
チチカカを演じた太田守信さんは私が最も信頼する役者さんの一人ですが、
その太田さんでさえ、今回は危機感と隣り合わせにいたように思えます。
特にミカと対峙する短いシーンには、緊張感に満ちた役者同士の火花が見えて。
そして今回彼の演じた胡散臭さは元々身に備わっていたものではなく、
葛藤の末に生み出されたものなんだろうな、とその努力の日々を想像しました。



ここからは、ミーハーちっくに 笑


ミカの精神世界を生きる人間として秀逸だったのが内山眞人くん。
舞台上でのバランス感と存在感の主張加減が絶妙なんです。
世界観に収まるだけでなく、その少年的魅力を放出する様には
役者としての天性のセンスを感じました。
彼の演技は4月にラブロブスター「破戒」で拝見してますが、
そのときよりずっとずっと真っ直ぐに、
生き生きと純粋に演技していたように思います。


そして、初日から千秋楽までに驚くほど飛躍したのが 和田亮一くん。
正直、最初は亮一くん(リンドウ)と橋本雄介さん(アバシリ)の
二人が演じる役柄の意味合いが良く分からなかったのですが、
千秋楽に「リンドウ=ミカの中の正義」であることが亮一くんの演技から見えてきて、
同時にその影として寄り添うアバシリという図式が見えた途端、
二人が煌煌と輝き、非常に凛々しく・そして雄雄しく見えました。
背中がぞくぞくするほどの感動を覚え、
何かを突き抜けた瞬間を見せていただいた幸せに
努力し模索する人間の素晴らしさを感じずにはいられませんでした。


そしてマナブを演じた看板俳優の若宮亮くんですが・・・。
小野川さんというとてつもない女優さんを相手に
やはり産みの苦しみを強く感じさせられたのですが、
なんだかちょっと5日間の間で演技のブレが大きかったような気が。
深く考察せずに観られた初日が、一番ストレートに
ミカとの心の繋がりが感じられたかなと思いました。


そしてそして。

演出の元吉庸泰さんラブラブ
舞台にいないのにその存在感を、そして思想と信念を
強く感じさせてくれる素晴らしい方。
神の領域に踏み込んだかのような舞台美の中から観得た闘いの美しさが
今私の心を静かに占めていますが、
この舞台は間違いなく元吉さんの精神が発祥となって
その精神に賛同した皆さんで作り上げたもの。
この舞台を通して、5日間での役者さん達の成長を目の当たりにして。
生きるということの素晴らしさ、大切さを私は感じ取りました。
物語では「傍にある小さな幸せを見出して」と諭してくれましたが、
そこから私が得た幸せは、非常に大きく、尊いもの。
演劇を観てこんな風に幸せになれるなら、私はずっとずっと演劇を観ていたい。
エムキチビートの、そしてエムキチビートの精神である元吉さんの客席に
将来ずっと座っていたいなと改めて思ったのでしたラブラブ!


こんなに素敵な舞台を作り上げてくれた役者さんとスタッフの皆さまに、
心からの感謝を。
2009年の締めくくりにふさわしい、素敵な舞台をありがとうございました!


終わり。


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