エムキチビート企画公演『Fight Alone』観劇♪♪
怒涛の3日間観劇、2日目は
エムキチビート企画公演『Fight Alone』@渋谷ルデコ。
狭いギャラリー・ルデコで、一人10分×12本の一人芝居の企画。
この特別な公演に対する深い思いや、細かい感想はアメンバー限定記事で書いたので割愛 笑
平たく言うと、ここしばらくのモヤモヤがふっきれて愛が戻ってきたって感じですね![]()
では、個々のお芝居の感想です![]()
『百万回生きた猫』和田亮一
小柄で身体能力の高いリョーチ君が絵本の物語世界で、実に生き生きとした転生する猫を演じていました。
最後の「俺自身の猫」で初めて生の喜びを知る猫。
その繊細な心の変遷を、愛らしく、切なく・・・リョーチ君じゃなきゃ演じられないという演目で、彼の持つ演劇センスを存分に堪能させてくれた素敵な作品でした![]()
2回観て、2回とも泣かされてしまいましたしね![]()
ちなみにリョーチ君はそのルックスや演技の質が、主宰・元吉庸泰さんの持つ理想のエムキチビートを体現する存在だと勝手に決め付けてます 笑
『マッスル伝道師資格試験対策スーパー教習』橋本雄介
いやもう、オープニングのキン肉マンのテーマで爆笑ですから!
一言で現すと、筋肉バカです 笑
芝居というよりフリップ芸で、自慢の筋肉を披露しながらの演目。
ナルシズムと自虐が入り混じった勢いのある10分で、笑いすぎてお腹痛くなりました
面白かったのは、1回目と2回目で後半を全部挿げ替えてきたこと。
サービス精神の高さは彼の最大の良さかな、なんて思いました。
個人的には、ヴァイオリンをちゃんと聴いてみたいな、と☆
多分彼って、筋肉の割りにすごく繊細な人なんだろうなって思います。
『マネーウォーズ』中泰雅
人のいいサラ金の取り立て屋の悲喜劇を、ルデコの天井に届くかと思うほどの長身の(言いすぎ) 彼が見事に演じ上げました![]()
演技力、セリフ回し、何もかもが完璧。
目の前の相手の動きやその感情がありありと見えるし、勢いや間の取り方が絶妙なのです。
ある意味スタンダードな一人芝居なのですが、それを完璧に仕上げることが出来る人はなかなかいないのでは?
この若いタイガ君という才能は、木田友和さん率いるナグラチームへと最近持っていかれてしまいました。
エムキチは本気で彼を欲しかったんじゃないかなぁと想像してます 笑
『走馬燈』元吉庸泰
オープニング曲と刀を携えた元吉さんのシルエットとで、一瞬にして心臓を掴まれました
物語は、新撰組の市村鉄之助という人物の、史実を交えた空想絵巻。
個人的に新撰組には明るくないので、その人物がどんな生涯を送ったか、どんな細かい史実があったかなど前知識は全くない状態で観たのですが、
目の前で生きる一人の志士の「生」。
死に向かっているはずなのに清涼な泉のように溢れ出る「生」。
そして何より、目の前で一瞬一瞬を痛いほど懸命に生きている
元吉庸泰という一人の人間の「生」。
それら沢山の、人間の素晴らしい営みである「生」を。
ものの見事に体現し、観客である私達に与えてくれている。
そんな貴重な時間を元吉さんという素晴らしい役者さんに目の前でいただいていることに自然に心が振るえ、1回目も2回目も、半分以上号泣しっぱなしでした![]()
私のこの感情を、隣で観劇していた某氏が言い表してくれました。
「感情移入していないのに、自然に涙が出た」。
そうそう、その通りなんです。私も全く同じでした。
そして、彼の演技からは、沢山のものが見えるのです。
会津の空、桜吹雪、夕景。
優しい顔立ちの悲哀の表情から、空気の色までが感じられて。
演出家としての元吉さんも勿論大好きですが、たまにこうして役者としての姿を見せてもらうと、その稀有な才能を痛いほど感じてこの上ない悦びを覚えるのです。
そして思うのは、このように皆さん素晴らしい作品を見せてくれると、どれがベストな作品か、と考える時には、「何を自分は美しいと思うか」や、「何を愛しいと思うか」などの価値観の一致が決め手になるということ。
物語のテーマ。刀。衣装。音楽。照明。しなやかな腕。整った顔立ち。
彼が舞台上で見せる何もかもが、私の好みにぴったりで![]()
う、美しかった・・・。
『シュレーディンガーの猫』橋本雄介
筋肉・橋本さんの2本目は超シリアス。
パンフレットによると自分の苦手分野を詰め込んだとのことですが 、正直、それらを消化できないままに舞台に臨んでしまったかなと思いました。
挑戦していること、努力していることは伝わってきましたが、量子力学を題材にした物語の中で、「生」を感じさせる部分の猫のお芝居部分が充分に活かされてなかったような気がします。
リョーチ君の猫芝居が素敵すぎたのも仇になってしまったかも。
出来ればもっと準備期間を経てとことん創り上げた形で、再演を観てみたいなと思う作品でした。
『デジタル落語 "ATAMA-YAMA(from 落語)"』ラムキ
有名な落語の演目「頭山」の舞台化。
その元ネタに関しては、短編アニメーションが米アカデミー賞にノミネートされた、くらいしか前知識は無いのですが、お芝居を観ながら元の落語も容易に想像が出来て、そこからイメージを膨らませてオリジナルの芝居として上演する、その面白さを短い時間に味わえてとっても楽しかったです![]()
「頭山」という落語の持つ特殊性もきっと、 リアルタイムで私が感じたナンセンスさ、実際に頭に木が生えたり、その木を引っこ抜いたりすることの生理的なキモさということで正解なのかなと思います。
ラムキさんは初見だったのですが、すごく器用な役者さんでした。
「わちゃごなどぅ」が今、私の中でブームですw
『BEST BOUT』田中裕二
今回、裕二さんがダークホースだという噂を聞き、実は密かに楽しみにしていました![]()
その噂に違わず、素晴らしい作品でした!
今まで観た裕二さんの中では、とびきり輝いていた作品ではないでしょうか。
(とある全裸ムービーでは違う意味で輝いてましたが
)
彼の演じた頭の弱い男の子が、ボクサーである友達を語るのですが。
友達の事をずっと話しながら、物語から溢れてくるのはキラリと光る彼自身。
途中繰り出すジャブの速さや、最後に見せるシャドウボクシングの動き。
その眼光、その姿勢に、思わず目を奪われました![]()
正直、リュックを背負ったその儚げな風貌は、漫画「ホーリーランド」の神代ユウかと思ったのですが、どうやら「はじめの一歩」らしいという噂が・・・笑
『告白』若宮亮
この人はこんな面白いことをいつも考えてるのか、と毎回思わされる亮くんのコメディ。
唯一1回目と2回目で全然違う見え方がした作品で、作品そのものはすごくバカバカしくて単純なのですが、観る側で見方を選択する、という意味において観客としてとても勉強になり、成長させられました![]()
何もかもが中途半端でナルシストな主人公が大好きな女の子に告白をする話なのですが、一言で言うと、バカですw
自ら脳内で困難な状況を作り上げてそれに酔って自分で「雷ドーン!
」とか言ってるんだもん。バカでしょうwww
狭いルデコのフロアで亮くんが、生まれたての小鹿か!みたいな動きで大地震から奮い立つ無駄な真剣さを全力アピールしてるのを見たら爆笑が止まらなくなりましたw
最後は「へにゃっ」て空気で終わっちゃうし。
もう、本当にこの人の頭の中はどうなってるんだか 笑
マジで楽しかったです、「実録・若宮亮」。 (冗談ですってば。)
ちなみに千秋楽の最後を飾ったのがこの作品。
おかげで、とても楽しい気分で帰れました![]()
初日に見たときは亮くんのもう一作「正義」が傑作だと思ったのですが、今は凄い勢いでこの「告白」が私の心を占めています。
私にとって、亮くんの出演作品では久々のスマッシュヒットだったことも大きな喜びの一つでした![]()
そして、この作品からは彼の深層心理からくる特別な思いが伝わってきました。
それに関しては、アメンバー限定記事にて長々と書いたので、割愛。
『マスク・ド・タオル』NIY
プロレス大好きなNIYさんによる、プロレスコメディ。
タオルに穴を開けた変なマスクを被ったプロレスラーの試合の話なのですが、ミュージック界の頂点を取った某バンドのベーシストであった彼が、役者として初心から出直す決意表明と、彼を応援する&彼の出演する舞台を観に来るお客様へのストレートなメッセージが強く伝わってくる素敵なお芝居でした![]()
彼の謙虚さ、そして芝居に向かう真摯さは彼の役者としての成長にちゃんと表れています。
一年前に比べて、いつのまにかミュージシャンから役者の顔にちゃんとなってるなぁ、としみじみ。
『540』漣圭佑
おそらく、脚本の文字数が一番少ない作品かと 笑
間が命の、漣さん(以下、渋さん)の作品は9分間しか記憶が持たない男の10分間の悲喜劇でした。
上半身裸の男の手には、手錠。
そこから謎が続き、最後のオチである記憶喪失に繋がるのですが。
オチが分かったときに、驚きよりも疑問の方が先に沸いてしまいました![]()
同じような病気を題材にした映画がいくつかありましたが、忘却曲線までは問わないにしろ、記憶のメカニズムとして9分という区切りで記憶がリセットさせることはあるのかなって。
あるかどうかはともかく、最後の1分はずっとそのことを考えてしまっていて。
そんなことを考えさせるまでもなく、勢いで物語引き込んでもらえたらよかったなって思ってしまいました。 でも、改めて渋さんがスタイルがいい事が分かってそれが武器ならそれを極めちゃうのも手かななんて思いました![]()
『さいごのおつかい~新幹線0系編』太田守信
ある意味、私的メインイベント 笑
役者として、作・演出として、私が絶大な信頼を寄せる彼の今回の作品は、新幹線0系を擬人化した、0系引退の物語でした。
私は鉄ヲタではないので理解できるかなとちょっと心配したのですが、そこはさすが太田作品。
マニアックなのに普通の人にも楽しめる素敵エンターテイメントでした![]()
膨大なセリフの量、そしてマニアックなネタに被せてくるギャグの数々。
絶妙な間。空気感。
それぞれが太田ワールドの魅力満載で、音響や照明を駆使しなくても一人の人間でここまで出来ることを証明。
凄いです。やっぱ凄い天才ですこの人
特に面白かったのは、「遺書」の下り。
あれには元ネタがあると観劇後に教えていただいたのでその方の遺書をググって読んでみたのですが、不謹慎にも遺書を読んで笑ってしまいました 笑
だってあまりに上手くパロってるんですもの。
バチが当たったらどうしよう![]()
(ちなみに、円谷幸吉というマラソンランナーの方のものです)
そして、今まであの致死量のセリフをこなしてたのだから、あの遺書を覚えるくらいは簡単にこなすとは思うのですが、そこをきちっと書いてくる辺り、自虐的な演出でかなり笑えました![]()
「だって、覚えなくてもこれ読んでれば楽でしょ」って、笑って言う太田さんが容易に想像できて、思わずにんまり。
目の前で起こっていないことで笑わせてくれるのは彼だけであり、それのギャグバージョンじゃない、真面目バージョンがMUのハセガワアユムさんだと思っています
そして、アプローチは違うけれど、元吉さんの作品と太田さんの作品との根底に流れる思想の一致。
ここも長くなりましたので、アメンバー限定記事にて。
『正義』若宮亮
もう一作の『告白』が何も考えずに笑えるコメディなら、こちらは脳の感覚をフル回転させられる、息もつかせぬ緊張感に満ちたサイコシリアスなミステリー作品。
初めてコメディではない亮くんの作品を観させていただいて、やっぱり彼には創る方の才能もどんどん開花させていってほしいなと思いました![]()
彼の演じたのは、二重人格の男。白い衣装を身に纏っただけなのに、ルデコ4の空間が精神病院の冷たいカウンセリング室に早変わり。
細かい演じ分けや感情表現は、彼の力量を考えると充分に想定内。
その役者としての力と魅力を、たっぷりと堪能させていただきました![]()
題材的には決して目新しいものではないものの、役者としての彼の力量を魅せるには格好の作品で。
『告白』の最後にも書きましたが、最近、亮くんの力を引き出して&引き上げてくれる作品に出会えてなかったな、と![]()
亮くんの力はこんなものじゃない、彼の力が余りすぎているのを見るのは逆に辛いって、いろいろな作品を観て、そう思っていました。
しかし、彼は自分自身で力を存分に出せる作品を創り上げてきました。
そこに彼の未来を感じ、また、彼が自身を一番高められる場所がこのエムキチビートなんだと実感
総括です![]()
皆さんの闘い、しかも総じてレベルの高いお芝居を観られてとっても幸せでした![]()
改めて、エムキチビートのファンとして。
これから見守り続けられる劇団に出会えたことを、心から嬉しく思います![]()
主宰・元吉庸泰さん、そして看板役者の若宮亮くんから、新加入の太田守信さんまで。
私の大好きな人達が集結したエムキチビート。
これからも、命の滾りを見せてくれることに心からの期待を寄せています。
希望に満たされたこの二日間の思い出を胸に、私も日々を懸命に生きます![]()
おわり。
