エムキチビートL・I・V・E Vol.3 『変・速・機!』(その2)
というわけで、続きです。
太田三部作の〆、『ヘヴン』。これ、一番難解でした。
NIYさんと漣圭佑さんが、けだるい雰囲気の芝居を始めるのですが
淡々とした時間が流れるなか、誰が何をしているのかよく分からなくて。
やっとセリフで、ホームレスなんだなって分かって、
以降、お二人の演技からいろいろなものが見えるようになりました。
この時間軸がリアルに流れるこの1作で、舞台側から何を観客に訴えるのか、
そして作・演出が役者に何を求めるのか。
いろいろなことを、上演中や終わった後に考えることで、
「決して与えられるだけでない演劇」、つまり、
自分で考え、産み出す機会を役者にも観客にもこの太田作品は与えてくれました。
作品を作って見せるだけでなく、役者や観客を育てて共に心を動かし高みを目指すこと。
作風は違うけれど、主宰の元吉庸泰さんの意識にも通じるところがあり、
演劇に携わる人はこうであってほしいな、と強く思わされました。
お芝居を離れて、こういう感想を持たされるのも、なかなか楽しいものです![]()
※個人的に、アロッタファジャイナの白椅子が使われていたのが嬉しかったです![]()
ラストは、太田三部作を受けて、乗っ取りを阻止するという使命を負った
『HERO!HERO!!HERO!!!』。
エムキチビートメンバー総出演の、若宮亮くん作・演出作品です。
タイトルにも内容にも、エムキチビートメンバーの思いが沢山詰まっている作品。
その場で笑って楽しめるライトな作品だったのですが、独立した作品として観ると面白いものの、
太田三作品に打ち勝つには、ちょっと説得力が足りなかったかな・・・![]()
私が気になったのは、脚本。ときどき、セリフとセリフの繋がりが不自然で
それまで笑っていたのに突然現実に引き戻されてしまう瞬間があって。
それと、やっぱトータルでのまとまり感がなかったかな・・・。特に初日。
細かいセリフ回しの面白さや、キャラ立ちした楽しさは充分にあったのですけどね。
特に、バーボン(笑) かなりツボってしまって、そのうちバーボンに釘付けに(笑)
決め台詞でブラックの光、つまり暗転してしまうって![]()
今年2月の亮くん作・演出作品『Valentine's Dance』の時にも思ったのですが、
亮くんの頭の中はどうなってるのかとw
あんなに面白いネタが頭の中に転がってるなら、
これからも沢山作品を見せていただきたいなって思います![]()
技術的なことはこれから沢山学んで、そんじゃそこらのイケメン俳優とは
全然違うってところを見せ続けてほしいなと思うのです![]()
ということで。亮くんにはちょっと耳の痛い感想を書いてしまいましたが。
これも、愛です。
好きだからって全てを許してしまったら、共に成長することは出来ないのです。
他の人とは挿げ替えられない、唯一の演劇人になってほしいな、と。
そんな思いをこめて、あえて書いてみました。
・・・ということで、総括です![]()
太田守信率いる客演チーム圧勝。
太田さんマジ天才です。すごい人がいたものです![]()
多分この先、いろいろな引き出しを全開にして
演劇界に、そして芸能界に、様々なアプローチをしていくものと思います。
彼に関しては、既に演技面で「小劇場の神」と崇め、
2月のエムキチビートイベントでの『バレンタイン・チョコレイト・トレイン』で
作・演出の才能もかなりのものと思っていたのですが、まさかここまでとは。
一ファンとして思うに、エムキチビートはかなりの危機感を抱いたと思うので
この先客演で彼が呼ばれなくなるんじゃないかと心配です(笑)
しかし、天才の競演として、エムキチビート主宰・元吉庸泰さんと一緒に
また作品を創り上げてほしいなと思うのです。
そして今回、特に私が魅力的だなと思った方々。
役者スキルが凄い勢いで上がっていく、木田友和さん。
生粋の役者として真摯な演技を見せてくれた峯尾晶くん。
場数を踏むごとに超絶美女化して魅力を増す加藤沙織さん。
もっとその演技を観たいと思わされる、しっかりした演技力の瀬戸千夏さん。
圧倒的な迫力でエムキチメンバーを凌駕した中泰雅くん。
華と元気で魅了するエムキチ新メンバー、和田亮一くん。
特に、紙エチュードでも頭の回転の速さと演劇センスを見せてくれた
木田さんと太田さんには、将来の天下取りへの期待が益々高まりました![]()
ちなみに次回エムキチビート公演は、10月末だそうです。
まだ詳細は決まっていないらしいですが、
主宰・元吉さんが戻ってくるということで、かなり期待大です![]()
今度こそ、私の大好きなエムキチビートが観られますように。
今からとっても楽しみです

