今までのあらすじ
ついにケースワーカー立ち合いの元、妹・莉子と、北寿老健で会ったコオ。
父の身分証を手に入れるため耐えた、不毛な話し合いで消耗したコオは友人美奈に会い、録音した莉子との話し合いを聞いて客観的な感想を言ってくれ、と頼んだ
「かなうわけ、なかったんだと思う。」
コオはつぶやいた。
「だって2対1だったから。」
「ケースワーカーは莉子ちゃんに味方したわけじゃないでしょ.」
「違うの。莉子は…母の亡霊を背負ってた。母が私に言ってたような言葉で、私を攻撃してた。前…最後に会った時もそうだった。莉子は…母の亡霊と一緒に私を攻撃するの。2対1。
だから…エネルギーの総量だけでももうかなうわけなかったんだよ…」
言いながらコオは、ああ、そうだったんだ、と自分の言葉に納得していた。