今までのあらすじ

ついにケースワーカー立ち合いの元、妹・莉子と、北寿老健で会ったコオ。
父の身分証を手に入れるため耐えた、不毛な話し合いで消耗したコオは友人美奈に会う。
美奈はコオの録音した莉子との話し合いを聞き…
 

 
 「悪いけどさ。莉子ちゃん、〇たま、おかしいわ。めちゃくちゃ。あんた、なんでこんなのにショック受けてんの。」
 
 美奈は言った。
 コオは吹き出した涙を止めることができなかった。
 
 「だって、ね、ケースワーカー…そこにいたケースワーカー、全然止めなかった。いくら莉子が、バカみたいなこと言っても…」
 「そりゃぁさ、向こうも立場ってもんがあるからね。」
 「それに・・・莉子がいなくなったあと…録音はもう止めてあったけど…私に『妹さん、思いのたけをぶつけてらっしゃいましたね』って…そう言った。』
 
 美奈はやれやれという顔をになり、もう一度ため息をついた。
 
 「あのさ、ケースワーカーの正しい態度だったのかどうかはわからないけど、その人立場を守ったんだと思うよ。でもこれ、莉子ちゃんの言ってるの、まちがいなくアタオカじゃん。悪いけどさ。こんなの無視よ。無視無視。」