Day 279までのあらすじのまとめリンク

 

 

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 『嶋崎さん、実は・・・また、施設に空きが出ます。』

 コオに藤堂 (高齢者住宅紹介業者 Day200-Day221-(7) 老人ホームの紹介業者からの電話 参照 )から
 電話が来たのは、年が明けてしばらくした頃だったように思う。
 
 父が倒れてから1年がたっていた。
 
 いったいコオはこの年末年始をどう過ごしていたのか、全く記憶にない。
 幼馴染と初詣がてらお酒を飲みに出かけたような気もするし、ただ、アパートで泣き暮らしていたような気もする。
 確か年末あたりに中学時代の同級生たち3人と出かけたような記憶がうっすらある。
 
 コオは離婚したことは、職場では上司も含めて全く話をしなかったし、余りにも面倒な実家の事情は親しい邑木響子(サイドバー参照)にさえ、この時点では断片的にしか語らなかった。
 
『空きが出ます、あの、お父様が希望してらした施設です…!』