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これまでの話
Battle Day0-Day135 のあらすじは、以下のリンクをご覧ください、
登場人物は右サイドに紹介があります、
Day136-あらすじ
父は再び脳出血を起こしており、ICU入院となった。コオは、父と同居していた妹の莉子は当てにならない、と見切りをつけた。
コオは病院のケースワーカーと話をつけ、自分を連絡先の一つに入れてもらった。
父・莉子のことに加え、夫と通じ合えず孤独感に苦しみ、壊れていくむコオ。
離人症らしき症状がでていたが、コオは泣きながら働き続ける。
コオは、父と面会時に、莉子はパイプオルガンで仕事をしていくつもりだ、と聞いていぶかしく思う。また、
金銭的に恐ろしく莉子が甘やかされていたことを改めて知る。
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コオは、職場近くのアパートに一人、引っ越した。
父が再入院して3週間ほどたっていた。
遼吾がインターネットで見つけたアパートは、自転車で職場まで距離的には20分ほどだが、すり鉢の底のような位置にあって、どこに行くにも結構な上り坂だ。今まで車で朝の渋滞の中1時間かけて通勤していたのに比べると、距離的には近いはずなのだが、職場までずっと続くのぼりを20分は若干キツイ。
壁が薄くて、天井が高くてロフトになっている、ワンルーム。
一口のIHコンロと、バストイレ。5畳の部屋は、シンクの下以外に収納スペースはゼロ。日用品用の棚を一つ置いて幅広のデスクを壁沿いに置いたら、もう布団を敷くスペースくらいしか残らない。
コオはロフトを寝床にすることにした。
電気とが水道はすぐ開通させたが、ガスは立ち会わなければ開通できない。
コオはガスをしばらく開通せずに過ごすことにした。コオの会社は動物を扱う事が多い職場なので、ありがたいことに、24時間いつでも使えるシャワー室がついてる。とりあえずしばらくはそれで対処して、余裕ができたらガスを開通することにしよう。
そんな、まるで学生のような一人暮らしを実に久しぶりにコオは始めた。
毎日泣き暮らしながら。
しばらく前から始まっていた離人症のような症状はますますひどくなっていった。
遼吾といると、一人でいるよりすっと寂しくて苦しくて悲しかった。でも、健弥に毎日ご飯を作って、お弁当を作って、泣いたりしないで話をするのがきつかった。
遠くから眺めている、コオ自身は、寂しくて、寂しくて、でも、ようやく一人になって泣けるようになったのだった。
