これはコオという女性の、1000日にわたる現代の家族戦争の記録だ。近年日本では8050問題とよばれるものが増加している。「80」代の親が「50」代の子どもの生活を支えるという問題。これはその一つだ。そして、彼女に降り掛かってきた8050問題、その背景には、毒親、精神疾患、未婚かつ無収入の子供、引きこもりなど、驚くほどたくさんの複数の現代日本の問題がすでにあった。更に、多くの、やる気のない役所の人間たちは、支援するどころか問題を複雑化し挙句の果てに手遅れになるまでに悪化させてしまっていた。
この記録は基本コオの側からのみ語られており、他の家族側からは話は聞けなかった。だからコオ以外の他の家族の考えを、あたかも彼らが考えたかのように主張はしない。例外は役所の人間たちについてだが、できる限り、『コオには、彼らがXXXと考えているように見えた』という風に断りを入れる。つまり、できる限り、事実に基づいて記述していこうと思う。
