今回のテーマは、少し前に紹介した
「ビリージーンキング自伝」
の中にあった、往年の男子プロ対女子の現役ナンバーワンプレーヤーの男女対決の話があり、とても興味深かったのでその話をしたい。
男子対女子の試合は過去に4回あり、そのうち2回は私は見ていますが、1973年に行われた2試合についてはさすがに子供過ぎて、状況がわからなかった。
有名なキング夫人対ボビー・リッグスの試合は映画にもなり、当日男子プロと女子プロの賞金格差をめぐって対等を求めたとの名目で行われたとされていましたが、
自伝を読むと、どうもそうではないように思いました。
ことの発端は、ボビー・リッグスと言うかつてのレジェンド、
調べてみるとグランドスラムを複数回取っていて、20世紀前半のトップと言えたでしょう。
この人が、当日設立されたばかりの女子のプロツアーやWTAが面白くなくて、喧嘩を吹っ掛けたわけではありませんが、女子の試合は見るに値しないと言う事で試合を申し込んだ、と言うのが正解。
男子プロのツアーが、女子のツアーが始まったことにより影響を受けると思っていたようです。
キング夫人は、何度も試合を申し込んでくるリッグスに対して、断り続けていたのですが、
そうしたらリッグスは、当時女子のナンバーワンプレーヤー、マーガレット・コートに試合を申し込んで実際に試合をすることになった。
これが史上初の男女対決となりました。
この結果が、6-2、6-1でリッグスの圧勝。
当時リッグスは55才だったので、今で言えば
シフォンテック対アンドレ・アガシ
サバレンカ対ボリス・ベッカー
みたいなモノ。
そこでキング夫人に、火が着いて対決することになったようです。
今度は、男子の試合同様5セットマッチ。
今度は、キング夫人がストレートで勝利、
有名になったこの試合は、映画にまでなったのでした。
3回目の男女対決もこのボビー・リッグス絡み。
今度はダブルスでした。
相手は、マルティナ・ナブラチロワ、パム・シュライバーとリッグスは当時の男子トッププロのビタス・ゲルライテスとペア。
この試合は、当日テレビ東京で放送されていたワールドビックテニスで紹介されて、見ることが出来ました。
結果は既に60代後半だったリッグスにボールを集められ、ナブラチロワ、シュライバー組がストレートで勝利。
ここまでは、ボビー・リッグスが女子のプレーヤーに因縁をつけて試合をしていた印象がありましたが、最後の4試合目は全く意味合いが全く違う試合となったのです。
1992年に行われた、
ジミー・コナーズ対マルティナ・ナブラチロワ。
これはリアルタイムで見ることが出来ました。
当時私がテニスコーチになったばかりで、テニススクールでもよく話されたのを覚えています。
これまでの3試合と違い、当時圧倒的に強かったナブラチロワが男子と戦ったらどうなるか、と言うナブラチロワ側からの働きかけだったようです。
当時ナブラチロワは圧倒的に強く、ある意味女子のツアーにモチベーションわ失いかけていたのかもしれません。
コナーズの方は40才を迎え、ランキングはかなり落としていましたが、さすがに現役の男子プロと言うことで、
コナーズはサーブは一本、フォルトしたら即相手のポイント、サイドラインはナブラチロワの方はダブルスサイドランとシングルスサイドラインの中間までOKと言うルールでスタートしましたが、
結果はコナーズのストレート勝ち、以来男女対決は行われていません。
思うに、女子の方からするとプレッシャーが大きく、男子の方は気楽に出来るかもしれません。
キング夫人、相当なプレッシャーだったと自伝で語っていました。
さて、21世紀に入って久しくもう男女対決はないと思われますが、
さっき話した、シフォンテック対アガシ、サバレンカ対ベッカーか試合をするとしたら、かなり注目を集めるような気がします。
正直テニスの人気が、他のスポーツと比べて落ちているのは否めません。
そこで、何か注目を大きく集める起爆剤としては良いように思いますが、どうでしょうか?。